【実務者向け】識別番号の割り当てについて

別の弁理士に頼んで特許出願を行なったことがあるクライアントが商標出願を弊所に依頼してきました。識別番号が割り振られているはずなのですが、担当者が変わってその番号はわからないと言います(特許出願の公開公報は出ていません、公開前に拒絶が確定したのかもしれません)。

識別番号が割り当てられている出願人が識別番号なしで出願すると、特許庁側で既に識別番号が割り当て済かどうかをチェックして識別番号付きに変えてくれるのは知っていましたが、特許と商標でまたがってチェックしてくれるかどうか気になったので、念のため特許庁に確認してみたところ、チェックしてくれるそうです(まあ当然ですが)。

もちろん、特許庁に識別番号を問い合わせることも可能です。FAXでしか教えてくれないこともありましたが、出願書類が手元にあるのであれば、出願番号と整理番号を言えば、それにより本人(代理人)確認として電話で教えてくれるようです。

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【実務者向け】米国商標審査における審査官補正

改めて説明するまでもなく、マドプロは、指定国特許庁での審査で何も問題なく登録されれば楽ちんなのですが、万一、暫定拒絶となった場合には、その国で代理人を任命して中間処理を行なわないといけないのでちょっと面倒ですし、お金もかかります。

実体的な審査に関する事項であればまだしも軽微な形式上の問題を補正するためだけに、現地代理人を使うのは不合理だなと思っていました。日本国内であれば、句読点のミスのような明らかな間違いであれば審査官が職権で補正してくれます(一応電話で確認が来ることが多いです)。

特に、米国を指定して、ロゴ商標を出願した場合、description of the markを追加せよという暫定拒絶が出ることが多いです。マドプロの出願書類(MM2)にはこれを書く欄がないので、どうすればいいんだよという感じです。

しかし、先日、USPTOからの軽微な補正を求める暫定拒絶にTelephone Response Suggestedという記載を発見しました(このパターンは初めてです)。審査官の提案通りに補正してよい旨を電話またはメールで非公式に連絡してくれれば、職権で補正すると書いてあります。

これは、USPTOの商標審査便覧(TEMP)の707に規定されている審査官補正(Examiner’s Amendment)というものです。審査官補正を出すかどうかは審査官の裁量のようです。

日本の弁理士はUSPTOへの代理人になれませんので、出願人にお願いして、審査官宛に承認のメールを打ってもらいました。出願人が法人の場合は代表者がメールする必要があるので、大企業の場合は難しいかもしれません(日本の弁理士がメールした場合、却下されるのか大目に見てもらえるのかはわかりません)。

3週間ほど時間がかかったのでちょっとあせりましたが、無事、審査官補正が反映されて、現地代理人を使うことなく登録まで導くことができました。各国特許庁からの通知のテンプレぽい部分もちゃんと最初から最後まで読むべきだなあとも思いました。

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【実務者向け】Windowsによる簡単な日付計算法

言うまでもなく、弁理士の仕事は日付の計算をすることが多いです(たとえ、1日でも貴期日を間違えると大変なことになってしまいます)。特許事務用のソフトウェアを使っていれば日付計算の機能は入っていますが、そうでなくてもWindowsの標準機能だけで日付計算できるのをご存じでしょうか?

「電卓」アプリで「表示」メニューから「日付の計算」を選択するだけです。ちなみに「単位の変換」を選ぶといろいろな単位間の変換(摂氏⇔華氏等)ができて便利です。

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もちろん、祝日は考慮に入りませんが、仮に、祝日を無視しても早い方に間違えるだけなので期日管理としては問題は少ないでしょう。

また、前にも書きましたが、Outlookで日付を入力する時に、日付欄にたとえば30dと入力するとその日から30日後の日付に変換してくれるので便利です。

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【実務者向け】中国に特許出願する際の言語について

中国に特許出願する際には、当然ながら、中国語で明細書を作成する必要があります。日本や米国等と異なり、翻訳文の後出しはできませんので、優先権等の期日がある場合には翻訳期間を見込んで余裕を持って進める必要があります。

日本語の明細書を中国語の明細書に翻訳する場合には、日中翻訳する方法に加えて、日英翻訳してから英中翻訳する方法があります。英語と中国語は文法的に近いので正確な翻訳が期待できます(もちろん、こちらで日英翻訳の品質を確認できるという前提です)。また、日中翻訳者よりも、英中翻訳者の方が数が多いので、料金や納期的にも有利なようです。

さらに、中間処理で、中国語明細書に補正が入った時でも、現地代理人に「英語で言えばこういう風に直した」と教えてもらえれば、元の明細書との対応付けがしやすいです(中国代理人が日本語を知ってる、あるいは、こちらが中国語を知ってる場合は別ですが、英語が共通言語というケースが多いです)。

中国語翻訳文しか必要ない場合に、わざわざ日英翻訳→英中翻訳のステップを踏むのは無駄ですが、どちらにしろ米国出願等で英語翻訳文が必要な場合には、スケジュールを調整して先に日英翻訳をすませてから英中翻訳を行なうのが好ましいと思います。

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「おじいちゃんのノート」の特許を分析する

#本記事はYahoo!ニュース個人の再掲です。

“おじいちゃんのノート”に大反響 孫がツイッターで拡散→在庫の山に注文殺到 奇跡を生んだ数々の偶然」というニュースがありました。

東京都北区の小さな印刷所が手作りしている「方眼ノート」。元日に、ある女子専門学校生がツイッターでつぶやいたことで、注文が殺到しています。「うちのおじいちゃんのノート、費用がないから宣伝できないみたい。Twitterの力を借りる」。特許をとって製品化したものの数千冊の在庫を抱えていたノートに、一気に注文が入り始めました。

ということだそうです。いい話ですね。

このノート、見開きした時に完全にフラットになるのが特徴です。書きやすい、見開きでコピー取る時に綴じ部(いわゆる「ノド」)がきれいにコピーできる等の利点もありますが、特に方眼ノートの場合には見開き左右2ページを完全に連続した一枚の方眼紙として使えることでさらに利点が増します。方眼ノートを普段使っている人にとっては大変便利なのでしょう。

このノートは特許化されているということだったので調べてみました。「特許」と言われているのに、実は出願しているだけだったり、「実用新案」だったりというケースがたまにありますが、このノートはちゃんと特許化されています。有限会社中村印刷所を出願人とする特許5743362号「無線綴じ冊子の製本方法」です。

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発明のポイントは粘度の異なる2種の接着剤を使うことにあります(上図の5と6、6の方が粘度が高い)。こうすることでページの脱落を防ぎながら優れた見開き性を実現できるというわけです。明細書には接着剤の種類や塗布量についても記載されており、いろいろと実験を重ねたことがうかがわれます。弁理士を代理人にしたちゃんとした明細書になっており、当然ながら中間処理もしっかりやっています。「おじいちゃんのノート」ということで最初は素人の単なる思い付きぽいイメージを持っていましたが、実はめちゃくちゃプロフェッショナルな仕事でした(どうもすみません)。

中村印刷所はこれ以外にももう1件特許(特許第4891798号「オフセット印刷の製版用版下紙フィルム及びその製造方法」)を取得しています。こちらも弁理士を代理人にしてちゃんとした明細書作成と中間処理をやっています。

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