ちょっとややこしい事例に遭遇したので自分のメモも兼ねて書いておきます。
自分ではない代理人が代理した国内出願Aに優先権を指定してPCT出願をしました。こういうパターンの場合、PCT出願時点では何も言われませんが、そのPCT出願を国内移行した後に「国内優先権主張無効の通知」というちょっと怖いタイトルの通知が来ます。この場合には、国内移行により生まれた出願を国内出願Bとすると、国内出願Aに国内優先権主張の授権の委任状を付加する手続補正書と委任状を国内出願Bに対して提出すれば問題は解決します。
ここまでは割と周知だと思います。なお、PCT出願の代理人と国内移行を行なった代理人が異なる場合は、国内優先権主張無効の通知は国内移行をした代理人に届きます。
さて、先日、同じクライアントの別件の委任状を特許庁に提出する機会があったので、そのついでに国内出願Aに対して国内優先権主張授権の委任状を先出ししておこうと思って、手続補正書を提出したら、国内出願Aは国内優先権主張から1年3ヶ月経過しており、特許庁に係属していないため補正を却下する旨の通知が来てしまいました(後の出願が国内移行してなくても取下擬制は行なわれるのですね、よく考えてみれば当たり前ですが)。
まあ、別に心配することはなく、PCT出願国内移行後に生まれた新出願(上記でいう国内出願B)に対して(国内出願Aに対する)委任状追加の補正をすればよいだけの話なのですが。