サムスンがスマートウォッチ製品Galaxy Gearを発表しました。TechCruchのレビューによればなかなかナイスな製品のようです。個人的には、バンド部分にカメラが内蔵されており単独で写真が撮れるのが気になりました(この機能、プライバシー関連でまた一悶着ありそうですが)。(写真はTechCrunchより引用)
しかし、機能的な話は別として、Galaxy Gearも既存のスマートウォッチ製品が共通に持っている問題点を解消できていないように思えます。その問題点とは「カッコ悪い」ということです。たとえば、既に販売されているソニーのAndroidウォッチを見ても同様です。(写真はSony Storeより引用)
私を含めたギークな人々は買うかもしれませんが、他の一般的なファッションセンスの人々、特に女性はデザイン面で購入を躊躇する可能性があるでしょう。なにしろ、手首は、不正確な機械式腕時計にファッション性(とステータス)だけを求めて何百万も払う人がいることからもわかるように、人のファッションとしてはきわめて重要なスポットだからであります。
こうなってくるとアップルによるスマートウォッチの「再発明」に期待したいところです。
このブログでも以前にiWatch関連と思われるアップルの特許公開公報について分析しました(「iWatchの特許公開公報を読んでみたらこんな感じでした」)。もちろん、特許出願の内容がそのまま製品化される保証はないですが、公報のアイデアに基づいて製品化が行なわれるとするならば以下のような特徴がありそうです。
- 時計というよりもブレスレットに近い平たい形状
- バンド部分も含めて全面表示画面(おそらく、カラーe-Paper採用)
- スラップブレスレット方式で一発取り付け(スラップブレスレットの参考動画(ちょっと笑えます))
- 自動巻方式により充電を最小化
ということで、機能的な面よりも、ファッション性を重視した作りになるのではないかと思われます。ブレスレット型というのもありますし、バンド部分に自分の好きなイメージを表示できる(e-Paperであれば常時表示可能)のがファッション性に大きく貢献すると思います。また、バンド部分の「壁紙」カスタマイズによってこの手のガジェットにありがちな他人とかぶってちょっと気まずいという問題を解決できます。
また、「スマートウォッチのキラーアプリケーションを考える」でも考察したように、スマフォ本体を取り出せればできることをわざわざスマートウォッチでやらなければならないようなキラー・アプリケーションはそんなにはないと思うので、やはりファッション性というかクールネスがキャズムを超えるために重要だと思います。
ちょっと前ですがイブ・サンローランの前CEOがアップルのバイスプレジデントとして採用され、ティム・クックの直属で「特別プロジェクト」を担当することになったというニュースがありました。この件もひょっとするとファッション性を追求するアップルのスマートウォッチ戦略に関係あるのかもしれません(あくまで憶測ですが)。
【CM】9/13(金)にコンピュータソフトウェア協会/日本IT特許組合主催のセミナー『先進企業の特許から製品・サービスのトレンドを読む − 第1回 アップル社』で講演します。iWatch関連の出願の解説もやります。