休眠特許をGoogleに売って一儲けしませんか(ただし米国特許に限る)

TechCrunchに「特許保有者がGoogleに特許を販売できるマーケットプレイスがローンチ予定」という記事が載っています(Googleの公式ブログにおける発表(英文)はこちら)。

マーケットプレイスというと恒常的なサービスのように思えますが、2015年5月8日から2015年5月22日までの期間限定でGoogleが特許の買い取りを行なうという実験的プログラムです(公式ページはこちら(現在は部分的にオープン、5月8日に全面オープンします))。

ところで、上記記事中には「特許トロールの問題」を解決すると書いてあったので、自社特許ポートフォリオを充実させても実業を行なっていないパテント・トロールに対する防御にはなり得ないのではと一瞬思ったのですが、休眠特許をGoogleが先んじて買い取ることで、パテント・トロールの手に渡るのを防ぐということですね。

重要なポイントですが、今回の買い取り対象は米国特許のみです。FAQによれば将来的には米国以外の特許も検討対象になる可能性はあるとのことです(ただ、言語の問題から欧州やカナダが優先で日本の特許は後回しになりそうな気もします)。

また、対価の受け取りには米国の納税者番号が必要です。これ自体は米国国税庁に手続きをすれば割とすぐもらえます(私もKindle出版の印税用に取得しています)。申し込みの段階で番号が必要なのか、それとも、対価受取りの段階で揃っていればよいのかはわかりません。

気になるのは、受付から支払い決定までの期間がかなり短いことです。5月8日から5月22日に申込み受け付け、6月26日に暫定回答、(Googleが購入意思を示した案件については)7月8日までに追加情報の提出、7月22日に支払となっています。

特許権の鑑定を入念に行なっている時間はないので、何らかの機械的な評価手法を使っているのだと思いますが、技術分野がGoogleの事業と関係しており、権利として有効に維持されており、無効審判等に係属しておらず、希望金額が法外でなければ買い取ってもらえる可能性は高いのではないかと思います。ただ、申込みの段階で希望金額をこちらから指定しなければならないのがちょっとやっかいです(その後に金額交渉ということはできません)。なお、通常、特許を買い取ってもらう時は権利行使可能性(特許と抵触する他社製品やサービスがあるか)が重要なポイントになりますが、それは申込時には不要なようです(最終段階で提出を求められるのかもしれません)。

申し込むだけなら無料ですし、Googleに買い取りを拒否されても特にダメージはありません。また、当然ながらGoogleが特許権を買い取った場合でも、申込者自身は特許発明の実施を継続することができます(Googleにライセンス料を請求されることはありません)。

ということで、売る側にとってのリスクは特にありませんので、米国で休眠特許を所有している方はGoogleへの売却を検討されてみてはいかがでしょうか?

今回のGoogleの試みがうまくいくかどうかはわかりませんが、こういう「アジャイル」な特許流通が一般化することは悪い話ではないと思います。

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音商標の公開公報が発行されました:一番乗りはあの会社のあの音

特許庁から「音商標の公開商標公報が発行されました」というプレスリリースが出ました。商標法改正により4月1日から音商標、色彩のみからなる商標、位置商標、動き商標、ホログラム商標といったいわゆる「新しいタイプの商標」が出願可能になり、音商標以外については既に早期の出願の公開公報が発行されていた(参考過去記事)のですが、音商標だけはCD-R(DVD-R)による音源の提出が必要なため、公開公報の発行が他より遅くなっていました。

過去記事では、色彩のみからなる商標の出願一番乗りだった久光製薬が音商標(「♪ヒ・サ・ミ・ツ」)も一番乗りするのではないかと書きましたが、現時点での一番乗りはこれも音商標として注目されていた大幸薬品の正露丸のCMにおけるラッパの音楽(参考過去記事)でした。とは言え、公開公報の発行順序は音源の提出の順番が影響するので、久光製薬が大幸薬品より先に出願している可能性は高いです。もしそうなら、出願一番乗りは大幸薬品が「暫定トップ」であり、結局、久光製薬になる可能性も十分にあります(トップになることに特に重要な意義があるわけではないですが)。

その他の主要な音商標の例がプレスリリースの別紙に乗っています。

上記の大幸薬品のラッパに加えて、GMOインターネットのサウンドロゴ(説明は「『ジーエムオー』という若干人の女性の掛け声からなる構成となっており、全体で1.5秒の長さである」となっています)、オリンパスのサウンドロゴ(正直、あまり印象がないです)、味の素のサウンドロゴ、サンヨー食品の「♪サッポロ一番」のサウンドロゴ、アコムの「♪はじめてのアコム」のサウンドロゴ、伊藤園の「おーいお茶」のかけ声等々が出願されています。(ところで、J-PlatPatの商標のタイプ指定による検索っていつ機能するようになるのでしょうか?)

今後どういう審査が行われるのか、特に、使用による識別性(セカンダリーミーニング)の判断が境界事例においてどのように行われるのかは興味があるところです。

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音商標の公開公報が発行されました:一番乗りはあの会社のあの音

特許庁から「音商標の公開商標公報が発行されました」というプレスリリースが出ました。商標法改正により4月1日から音商標、色彩のみからなる商標、位置商標、動き商標、ホログラム商標といったいわゆる「新しいタイプの商標」が出願可能になり、音商標以外については既に早期の出願の公開公報が発行されていた(参考過去記事)のですが、音商標だけはCD-R(DVD-R)による音源の提出が必要なため、公開公報の発行が他より遅くなっていました。

過去記事では、色彩のみからなる商標一番乗りだった久光製薬が音商標(「♪ヒ・サ・ミ・ツ」)も一番乗りするのではないかと書きましたが、現時点での一番乗りはこれも音商標として注目されていた大幸薬品の正露丸のCMにおけるラッパの音楽(参考過去記事)でした。とは言え、公開公報の発行順序は音源の提出の順番が影響するので、久光製薬が大幸薬品より先に出願している可能性は高いです。もしそうなら、出願一番乗りは大幸薬品が「暫定トップ」であり、結局、久光製薬になる可能性も十分にあります(トップになることに特に重要な意義があるわけではないですが)。

その他の主要な音商標の例がプレスリリースの別紙に乗っています。

上記の大幸薬品のラッパに加えて、GMOインターネットのサウンドロゴ(説明は「『ジーエムオー』という若干人の女性の掛け声からなる構成となっており、全体で1.5秒の長さである」となっています)、オリンパスのサウンドロゴ(正直、あまり印象がないです)、味の素のサウンドロゴ、サンヨー食品の「♪サッポロ一番」のサウンドロゴ、アコムの「♪はじめてのアコム」のサウンドロゴ、伊藤園の「おーいお茶」のかけ声等々が出願されています。(ところで、J-PlatPatの商標のタイプ指定による検索っていつ機能するようになるのでしょうか?)

今後どういう審査が行われるのか、特に、使用による識別性(セカンダリーミーニング)の判断が境界事例においてどのように行われるのかは興味があるところです。

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Facebookで普段会ってない人に誕生日お祝いするときに気を付けたいこと

Facebookのお誕生日通知機能、普段ちょっと疎遠気味の人が再度コンタクトを取れるようにするきっかけを作ってくれるという点では良い仕組みだと思います(自分はセキュリティ上の観点から誕生日は公開してないですがそれはまた別論(参考過去記事))。

しかし、友人、特に、普段しょっちゅう会ってない友人や知り合いレベルの人のタイムラインに誕生日お祝いメッセージを送る(タイムラインに書き込む)時には、その人のタイムラインを少し遡って内容をチェックしておくべきだと思います。そもそも、機械的に定型メッセージ送るよりは、やはりその人の近況を知った上でカスタマイズしたメッセージを送るべきですし、さらに言えば、その人が既に亡くなっている可能性もあるからです。

実際、昨年急逝した私の友人のタイムライン上に多くのお誕生日おめでとうメッセージ(その多くは定型的なもの)が表示されて、ちょっと辛い状態になっています。数ヶ月遡ってタイムラインを見れば亡くなっていることはわかるのですが。その友人はそれなりの地位の人だったので友人の輪が広かったのでしょう。そして、こういうケースを見たのは一度や二度ではありません。

なお、Facebookでは、アカウントの持ち主が亡くなった場合に、アカウントを追悼アカウントにしてくれる機能があります。タイムラインの情報はそのまま残りますが、当然ながら他ユーザーに誕生日メッセージは送られなくなります。

アカウントを追悼アカウントにするためにはFacebook上のフレンドまた家族が請求する必要があります。また、家族であればアカウントの削除を依頼することもできます。いずれも、自動的に行われるのではなく、Facebook担当者側でのチェックは入るようです(なので気にくわない人を死んだことにして…なんて手は使えません)。

追悼アカウント機能があるとは言え、設定が遅れている場合もありますし、家族がアカウントを引き継いでということもあると思うので、やはり上記のようにタイムラインを遡って近況を確認するのはメッセージを書く側の礼儀としてやっておくべきでしょう。

なお、Facebookのポリシーとして故人のパスワードは家族であって教えてもらえません。自分の死後にアカウントの運営を(少なくとも一定期間)家族に任せたいという人は事前にパスワードを教えておくしかないですね。

自分のケースで言うと、自分が急死した時に家族に見てもらうためメモ(紙)を某所にしまってあります。銀行口座情報、保険情報、業務を引き継いでくれる弁理士先生のリスト、クライアントのリスト、手持ちビンテージ楽器を処分するときのオークション相場金額に加えて、ソーシャルネットワークのパスワードも書いてあります。

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【自己解決】WordPress 4.2で急に投稿ができなくなった件

本ブログはWordPressで動いているのですが、4.2に自動アップデートしたら、急に投稿ができなくなってしまいました。

いつも使っているマイクロソフトのLive Writerだと”Internal Server Error 500 ”データベース内の投稿を更新できませんでした” でエラーになります。WordPressの管理画面から投稿しようとするとそもそも新規投稿の画面が崩れています。

いろいろと調べると英語だけの投稿であればちゃんと投稿されることがわかり、問題は日本語文字コード関連ぽいことがわかりました。

応急処置としてwp-includes/wp-db.phpとwp-includes/post.phpをWordPress 4.1のものに置き換えるとLive Writerからはちゃんと投稿できるようになりました(WordPressの管理画面の新規投稿画面が崩れているのは直らないですが、これ以上応急処置をすると危険なのでほっておきました)。

ちょっと時間ができた時に調べるとMySQLの一部のテーブルが照合順序がujis_japanese_ciになっていることが判明しました。これを本来のustf8_general_ciに直すことで問題は解決しました(少なくともpostsのテーブルを直してだけで解決しましたがついでに他も直しました)。間違って設定していた理由は不明ですが、WordPress4.2以前では顕在化していなかった間違いが、WordPressの内部ロジック変更によって悪さをするようになったということなんででしょう。

データ喪失でバックアップからリストアなんて事態にならなくてよかったです。

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