特許庁から「音商標の公開商標公報が発行されました」というプレスリリースが出ました。商標法改正により4月1日から音商標、色彩のみからなる商標、位置商標、動き商標、ホログラム商標といったいわゆる「新しいタイプの商標」が出願可能になり、音商標以外については既に早期の出願の公開公報が発行されていた(参考過去記事)のですが、音商標だけはCD-R(DVD-R)による音源の提出が必要なため、公開公報の発行が他より遅くなっていました。
過去記事では、色彩のみからなる商標一番乗りだった久光製薬が音商標(「♪ヒ・サ・ミ・ツ」)も一番乗りするのではないかと書きましたが、現時点での一番乗りはこれも音商標として注目されていた大幸薬品の正露丸のCMにおけるラッパの音楽(参考過去記事)でした。とは言え、公開公報の発行順序は音源の提出の順番が影響するので、久光製薬が大幸薬品より先に出願している可能性は高いです。もしそうなら、出願一番乗りは大幸薬品が「暫定トップ」であり、結局、久光製薬になる可能性も十分にあります(トップになることに特に重要な意義があるわけではないですが)。
その他の主要な音商標の例がプレスリリースの別紙に乗っています。
上記の大幸薬品のラッパに加えて、GMOインターネットのサウンドロゴ(説明は「『ジーエムオー』という若干人の女性の掛け声からなる構成となっており、全体で1.5秒の長さである」となっています)、オリンパスのサウンドロゴ(正直、あまり印象がないです)、味の素のサウンドロゴ、サンヨー食品の「♪サッポロ一番」のサウンドロゴ、アコムの「♪はじめてのアコム」のサウンドロゴ、伊藤園の「おーいお茶」のかけ声等々が出願されています。(ところで、J-PlatPatの商標のタイプ指定による検索っていつ機能するようになるのでしょうか?)
今後どういう審査が行われるのか、特に、使用による識別性(セカンダリーミーニング)の判断が境界事例においてどのように行われるのかは興味があるところです。