【PR】ADC社による「外付けキーボードに関する特許取得のお知らせ」について

エイディシーテクノロジー株式会社という会社が「外付けキーボードに関する特許取得のお知らせ」というプレスリリースを出しています。

当該特許は5524148号「コンピュータ装置」と5149336号「コンピュータシステム、及び、このコンピュータシステムで用いられるキーボード」です。

プレスリリースには以下のように書かれています。

現在市場にある多くの製品は、この2件の当社特許に抵触すると思われます。例えば、会社の業務などでスマホ、タブレットに外付けのキーボードを使用してデータを入力する場合にも、これらの特許に抵触する可能性が大きいです。

もちろん、これはメーカー側の言い分なので、実際に抵触するかどうかは弁理士の鑑定等を含めて検討する必要があります。そして、最終的な決着は侵害訴訟の場ということになります。もちろん、ライセンス料を支払うという選択肢もあります。

両特許の具体的評価についてはさすがにオープンな場では書けませんので、弊所へのご相談についてはこちらからお願いいたします。

【追記】プレスリリースの以下の箇所について何件かコメント頂きましたので、一般論として回答します。

ライセンス付与のシールが付されていないキーボードを引き続き使用される場合には、特許侵害となる可能性がありますので、ご注意ください。

まず、特許権の効力は「業として」の実施にしか及びません。すなわち、個人的・家庭内の使用では特許権を原則気にする必要はありません。

(特許権の効力)第68条  特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。(略)

また、特許発明の実施には、その物が使用が含まれます。

(定義)第2条3号 この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
一 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(略)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(略)をする行為

したがって、特許権の技術的範囲に含まれる物を業務上使用すると解釈上は特許権を侵害することになります。ただし、通常は使用をしているエンドユーザーに権利行使することはなく、その物を製造・販売している会社に権利行使することになります。これは、単に前者に訴訟をしてもあまりメリットがないからです。

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1 Response to 【PR】ADC社による「外付けキーボードに関する特許取得のお知らせ」について

  1. 卒業生 のコメント:

    こんにちは。
    プレスリリースを読むと最後に次のような文章があります。
    ”ライセンス付与のシールが付されていないキーボードを引き続き使用される場合には、特許侵害となる可能性がありますので、ご注意ください。”
    これは誰に対して言っているのでしょうか。
    消費者の一人として「外付けキーボード」を使っている人もビクビクしないといけないのでしょうか。

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