依然としてよくわからないダウンロード刑事罰の要件

【再掲】Spotifyを日本で聴く場合の違法性について」でも書きましたが、いわゆる違法ダウンロードの刑事罰化(119条3項)に関する要件が何回条文を読んでもよくわかりません。ということで、立法担当者による逐条解説書(『著作権法コンメンタール別冊平成24年改正解説』)を買ってみました(ところで特・実・商・意の産業財産権法については公式の逐条解説本(通称:青本)が特許庁のサイトから無償でダウンロードできるのですが、著作権法はそういうのがなくて結構お高めの書籍を買わないといけないのがつらいところです)。

119条3項の中でも特によくわからない「(国外で行なわれる自動公衆送信であって、国内で行なわれたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む)」の部分ですが、本書でも私が気になるのと同様に「当該国においては著作権を侵害しない自動公衆送信であるものの、我が国著作権法との関係では著作権等の侵害にあたる場合」が問題であるとしており(例示として、外国で著作権満了しているが日本では満了していないパターンが挙げられています(中国では映画の著作物の保護期間が公表後50年で日本は70年なのでこういうパターンはあり得ます))。これについては「条文の文言上はこういった場合も対象とせざるを得ない」とされています。(そもそも、この条文は審議会の検討を経ずに議員修正により立法されたので、立法担当者としても完全にコントロールできていなかったと思われます。)

CD/DVDの違法ダウンロードを警察権力を使ってでも止めたい、「サーバが海外なので」という言い訳は使われないようにしたいという切羽詰まった事情がこういう無理のある条文を生んでしまったという気がします。

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