【週末ネタ】「コンテンツ特区」ってこういう意味だったのか

ちょっと前にクールジャパン政策関連で出てきた「コンテンツ特区」なるものにどういう意味があるんだろうかと書きました

基本的に、国(行政)と私人の間ではなく、私人と私人の間の権利関係を定める法律である著作権法を政府が地域別に調整することは難しいですし(もちろん、当事どうしが契約で決めることは可能ですが、それは「特区」とは呼べないでしょう)、そもそもコンテンツ制作では地域的制限なしにいくらでもネットでコラボできるのに地域を限定して何か意味があるのかという点が主な疑問です。

「コンテンツ特区」をキーワードにググってみると、札幌コンテンツ特区なるものが、国の認定を受けたようです。その認定申請書(PDF)を見てみると、以下のようなことが特区の実体のようです。

1)映画ロケをやりやすくすることで観光客を増やす

2)観光客に対応できる通訳の育成を支援する

3)セミナーや国際見本市の開催

これ自体は別に悪いことではないですし、どんどんやれば良いと思うのですが、自分が「コンテンツ特区」からイメージしていたものとはずいぶん違うなと思いました。著作権も二次創作もほとんど関係ありません。

また、京都も同様に「コンテンツ産業特区」の申請を予定しているようですが、主な取り組み例として以下が挙げられています。

  • 太秦メディアパークにおいて、クロスメディア展開による新産業創出を図る共同研究開発拠点として「クロスメディア・クリエイティブセンター(仮称)」を創設するとともに、共同事業の支援を行うリエゾン・オフィスを設置
  • 京都国際マンガミュージアムを核とし、町家等を活用してクリエイター人材育成のためのインキュベート施設を整備するなど、「マンガクラスター」を形成

要は「箱物」系の話に思えます。また、国への提案例として、以下が挙げられています。

  • 拠点内でのデジタル・アーカイブ構築及び利用に限り、著作権のフェアユース実現
  • 運用益活用型のコンテンツ振興基金造成への国の無利子(低利子)融資制度の創設

2番目の項目はまだいいとしても、1番目の著作権のフェアユースについては、国(自治体)と市民の関係ではなく、権利者と利用者という私人間の話なので、勝手に許可できるものではありません。また、仮にフェアユースが実現できたとして、その規定を利用して制作された二次著作コンテンツは京都に行かないと見られないということなんでしょうか?(ネットでどこへでも配信できるのでは「特区」ではないと思います)。

やはり「特区」という考え方そのものが物理的場所の制約を受ける従来型産業を前提としたパラダイムであって、デジタルコンテンツ産業との相性はあまりよくないのではという気がします(「インパク」という言葉が頭に浮かびます)。

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