【お知らせ】ドク・サールズの「インテンション・エコノミー」翻訳しました

去年の後半から苦労して訳してきた書籍”Intension Ecomony”、ようやく翻訳脱稿でき3/15に発売予定となりました。現在Amazonで予約受付中です。

著者のドク・サールズ(Doc Searls)氏はLinux Jounalのシニア・エディターであり、オープンソースの世界の重要なオピニオンリーダーの一人です。私的には、今のソーシャルな世界を予言していたとも言える「クルートレイン宣言」の共著者の一人としての意味合いが大きいです。また、64歳にして初の単著というのも興味深いです。

「インテンション・エコノミー」とは今日のマーケティングの中核となっている「アテンション・エコノミー」(顧客の関心が重要な財になっている経済)のアンチテーゼであり、顧客の購入意思を中核にした経済を作るべきであるという考え方です。たとえば、「パーミッション・マーケティング」とかPricelineの「逆オークション」とか類似の考え方は今までもありましたが、それらの前例を踏まえた上で今日のテクノロジー環境を活用したあるべき姿を考察しています。

サールズ氏は、単にアイデアを述べているだけではなく、CRMに対応するVRM(Vendor Relationship Management)と呼ばれるツールの開発活動に実際にかかわっている点もポイントです。また、Webサービス業者と消費者間の契約について突っ込んだ議論がされている点もユニークかと思います。

マーケティングの現在の話ではなくて、ソーシャルやビッグデータを越えたところにある5〜10年レンジ先の話なので、その点は誤解なきよう。

米Amazonの評価も良好で、現時点での評価はほぼ満点(5点が14人、4点が2人)。TechCrunchでもカバーされました(記事で予測されたように日経ではなくて翔泳社から出ましたけど)。YAMADAS Project(@yomoyomo様)では、邦訳が期待される洋書の1冊として紹介されました。あと朝日新聞の記事で洋書版の書評(ネットはいま++/平和博 買い手主導の「スモールデータ」)があったのですが、Web上からは消えてしまったようです。

結構盛りだくさんな内容で、かつ、著者独自のスタイルだと思いますが、妙にペダンティックだったりポエムぽかったりする部分もあるので、ちょっと読みこなしにくいかもしれません(翻訳がんばりましたが原著に書いてないことを足すわけにもいかないので)。発売されましたら本ブログでも解説記事を書いていく予定です。

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