ちょっとした連絡不行き届き(お恥ずかしい)で、期日が迫った商標の更新登録申請を行なう前に移転登録申請を行なってしまいました。この場合、新権利者名義で更新登録を行なって、まだ移転登録が終わっていない(あるいは、旧権利者名で更新登録を行なって既に移転登録されている)と手続却下になってしまうのではないかと思い、どうすべきかを特許庁に聞いてみました。
答は、「新権利者名で申請し、商標権存続期間更新登録申請書の最後に【その他】の欄を設けて”移転登録申請中”と記載する」だそうです。
ちょっとした連絡不行き届き(お恥ずかしい)で、期日が迫った商標の更新登録申請を行なう前に移転登録申請を行なってしまいました。この場合、新権利者名義で更新登録を行なって、まだ移転登録が終わっていない(あるいは、旧権利者名で更新登録を行なって既に移転登録されている)と手続却下になってしまうのではないかと思い、どうすべきかを特許庁に聞いてみました。
答は、「新権利者名で申請し、商標権存続期間更新登録申請書の最後に【その他】の欄を設けて”移転登録申請中”と記載する」だそうです。
追記:本記事掲載後の5月16日にdata.go.jpは再開されました。また、休止期間中は有志による代替サイトdatago.jpが運営されていました。
米国で政府関連オープンデータのポータルであるdata.govが立ち上がったのが2009年、一方日本はというと、2012年の総務省の「電子行政オープンデータ戦略」という資料で「現状の調査を行う」方向性が示されるという状況で(少なくともオープンガバメントデータの領域では)周回遅れ感が強かったです。
その後、遅ればせながらdata.govに相当するデータカタログサイト(data.go.jp)の試行版が立ち上がりましたが、今アクセスすると以下のよう状態になっています。
ZDNetの記事によると年度が変わって予算がつかないためであるそうです。せめて現状維持で残しておけばよいのにと思いました。
一方、米国のdata.govですが、何度かの更改を経てすっきりとしたデザインになっています。現時点では9万件強のデータセットが公開されており、横断的に検索が出来るようになっています。
たとえば、”crime”をキーワードで検索すると複数の政府機関のデータソースをまたがって59件のデータセットが表示されます。結構古いデータが多いですし、エクセル形式、PDF形式、Lotus Organizer形式(!)などのあまりオープンでない形式が多く、また、単に別のサイトへのリンクになっていて、そこのサイトで別途操作を行ってデータをダウンロードしなければいけないケースがあったりで、パーフェクトではないのですが、このようなデータポータルサイトがあるかないかでは大違いです。
同様のオープンデータポータルは、米国だけではなく、英国、韓国、インド、フランス、香港等でも運営されています。
まあ、data.go.jpだけが日本のオープンデータポータルではないですし(集約サイトであるポータルがたくさんあるということ自体がまた別の問題ですが)、地方自治体、民間、草の根ベースのオープンデータ・プロジェクトが活発に行われているのは確かです。しかし、日本政府としてのオープンデータの取り組みは妙に遅れています。
この理由なのですが、1)データをオープンにすることで「不都合な真実」が露わになるのを嫌う抵抗勢力、2)サーバやストレージが売れない案件はあまりやりたがらない公共系ITベンダー、あたりではないかと推測しているのですが、どうでしょうか?
「客の顔情報「万引き対策」115店が無断共有」というニュースが議論を呼んでいます。リカオンという会社が開発した、万引き犯やクレームの顔情報を店舗間で共有し、該当者が来店すると、顔認識により検知して通知するシステムの話です。(追記:リカオン社より「顔情報を共有するのは本人の同意を得た場合だけである」という主旨で記事に抗議するリリースが出ています)。
Twitterで「こんなこと考えつくのは日本だけ」というような趣旨のつぶやきがあったので米国の状況を調べてみました。
”face recognition shoplifter”というキーワードで検索してみると、米国では、一昨年頃から同様のテクノロジーが採用され始めていることがわかります。
たとえば、LP Magazineというサイトの”Facial Recognition: A Game-Changing Technology for Retailers”という記事(2013年5月12日付)では、同様のテクノロジーについて紹介されています。(ただし、「センシティブな問題なので発言者と企業は仮名とした」と書いてあるので、米国においてもまったく問題なしというわけではないということがわかります)。
ところで、このLP MagazineのLPとはLoss Prevention、要するに万引き防止担当者ということです(日本で言えば「万引きGメン」でしょうか)。アメリカではこういう専門家向けのポータルがあるということですね。
顔認証で検知とは言ってもいきなり警報が鳴ったりつかまったりというわけではなく、以前に万引きを行なった人の入店が検知されると、LP担当者に通知が送信され、LP担当者が目視で確認した後に、本人に近づいて名前の確認の後に退店を命じるというプロセスが基本のようです。
また、法律に関する知恵袋的なサイトの情報(専門家の回答ではない可能性があります)によると、顔認識の話とはまた別に、米国の小売チェーン(たとえば、Walmart)で万引きでつかまると、二度とそのチェーン店舗(万引きをした店だけではなく、店舗すべて)に入店しないという誓約書を書かされ、それに違反すると不法侵入として退場を命じられるルールになっているらしいことがわかります。つまり、顔認証が使われるずっと前から、少なくとも同一小売チェーン内では店舗間で万引き行為をした人の顔写真を含む情報をシェアーしているようです(推測)。
さらに、Stores Mutual Associationという組織があり、小売店チェーン向けに万引き犯(および、不正行為を行なった従業員)のデータベースサービスを提供していることもわかりました(データベースに顔写真が含まれているかどうかは不明)。上記のLP Magazineの記事では同様の仕組みにより、万引き犯の顔認識情報を小売店チェーン間で共有することも将来的にはあり得るというようなことも書いてあります(法律的にクリアーされているという意味ではありません)。
まあ(特にプライバシー問題に関しては)米国でやっているから日本でもやっていいかというとまったくそんなことはないのですが、客観的事実としてご紹介しました。
日本においても何らかのルール作りをしないとまずい段階に来ていると思います。禁止されているのかされてないのかがうやむやな状況で、違法ではないから問題ないと先走る人だけが得をするような状況は避けなければなりません。
話は変わりますが、リカオン社のサイトでは、このシステムに関する発明が特願2013-248885として特許出願されていることわかります。番号から見て昨年末の出願なので公開されるのは来年の春以降になりそうです。そして、リカオン社のサイトで「特許出願」のバナーをクリックすると、以下の情報が表示されます。
出願しただけで登録されてない(公開すらされていない)のに「特許権の侵害」について警告するのはちょっと微妙ですね(出願公開の前に登録されることもないことはないですが、もしそうなのであれば出願番号ではなく特許番号を表示すべきです)。よく読むと「特許権取得後において」と注記しているので大丈夫という判断なのでしょうか?
STAP細胞のねつ造疑惑に関する理研の説明会において、小保方さんの実験ノートが3年間で2冊しか残されておらず、日付すら記載されていないことから、STAP細胞の存在を証明できないというような説明がありました(参照記事)。
これに対して東大先端研教授の玉井克哉先生が以下のようにツイートしています。
特許出願するような研究で、日時のわからないラボノートしかないというのは、まったくおかしい。昨年までアメリカ特許法が先発明主義だったので、成果の発表で先行しても「発明はこちらが早い」と他にクレームされるおそれがある。それを避けるため改竄不可能な形で詳細な記録をつけておく。
? 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) 2014, 4月 3
これはまさにそのとおりです。特にSTAP細胞の研究に関しては、実際に小保方さんを発明者の一人とする特許が実際に出願されている(PCT出願以前にもそれの優先権の基礎出願が2012年4月24日に米国に出願されてます)ので、ラボノートがちゃんとしていないということは、研究プロセスが相当いい加減だったか、何かを隠しているかのいずれかだと思います。
日本は過去の米国とは異なり先願主義ですが先使用権の立証のためや誰が真の発明者かもめたりしないためにもにラボノートは重要です(米国でも特許法改正により先使用権の規定が含まれました)。
さらに、言うまでもないですが特許うんぬんの話以前に実験の正当性の証明等のためにも重要です。
一般的にラボノートは、改竄を防ぐためにルーズリーフではなく、綴じ製本されてページ番号が事前に印刷されているものを使用し、ページ毎に記載者と管理者がサインする必要があります。
ちょっと話は変わりますが4月19日に理研の和光本所の一般公開が行われ、ラボノートや白衣などの理研グッズが販売されるようです(理研の広報記事)(なお、割烹着は売ってないようです)。理研公式のラボノートをゲットして普段のメモ用に使い、表紙に「STAP細胞実験記録」とでも書いておくと瞬間的にはうけるかもしれません。
弁理士の仕事は出願から登録まで(および年金支払)が中心ですが、たまに、特許・商標の登録後の譲渡や住所変更等の手続きの代理をすることがあります。どちらかと登記関係の司法書士さんに近い仕事で、弁理士としてはあまりなじみがないと思われますし、あまり情報もないので、ここで、特に収入印紙の扱いについてメモ書きしておきます。
まず、登録免許税の支払は(特許印紙ではなく)収入印紙で行ないます。収入印紙は特許庁の特許印紙を売っている窓口でも売っています。
書類提出時に収入印紙に割印をしてはいけません。万一、手続却下になった時に印紙代が戻ってこなくなります。割印は書類上問題がないことを特許庁の人が確認してから押されます。
あまり詳しくは書けないですが、書類上ちょっとしたミスがあると、補正だとか職権訂正みたいなことはなくてすぐ手続却下になってしまいます。
手続却下になるとまず却下理由通知書というのが届き、弁明書提出の機会が与えられます。ただし、書類上の間違いがあると弁明書では対応できないことが多いです。手続き却下が確定するまでは同じ申請は再提出できないらしいです(また手続き却下になってしまいます)。手続き却下確定までは30日かかるので急ぎの事案であれば手続きを自発的に取り下げた方がよいようです。
手続き却下が確定すると提出した申請書類(収入印紙を貼ったもの)がそのまま郵送で戻ってきます。
収入印紙をハガロン等ではがして別の書類に貼ることも実務上行われているようですが、本当は一度貼ったものを再利用してはいけないようです。また、間違えて収入印紙を貼りすぎてしまった場合には、はがした印紙が手元に残ってもちょっと困ります(司法書士さんならまだしも弁理士では収入印紙を使う機会はあまりないため)。
収入印紙は郵便局に持っていっても払い戻しはしてもらえません。また、一部のチケットショップでは買い取ってもらえるようですが新品ならまだしも一度貼ってはがしたもの(糊落ち)は買い取れるかどうか保証できないと言われてしまいました。
収入印紙を貼ったままの書類を「免許税還付請求書」と共に特許庁に送ることで収入印紙代を指定口座に振り込んでもらえます。「免許税還付請求書」のフォームは特許庁の担当者の方から送ってもらいました。
一般的には、まちがえて貼った収入印紙の還付は税務署で行いますが、それは契約書に貼った場合であって、登録免許税として収入印紙を使用する場合には税務署では還付してもらえません。
ベテランの方には当たり前の話かもしれませんがご参考まで。