【小ネタ】iPhoneでの成田エクスプレスのチケットレス購入は便利

最近気がついたのですが、iPhoneでも成田エクスプレスの座席指定特急券のチケットレス購入が可能になってたのですね。モバイルSuica機能のないiPhoneでは鉄道系のチケットレスは縁がないものと思っていましたが、成田エクスプレスに限っては在来線と違う特別の改札があるわけではないので、モバイルSuicaのあるなしは関係ありません。

要は、駅員さんの検札時に特急券を買っていることをメール画面で示せればよいだけのことです(実際には、どの席が購入済みかは駅員さんの端末に表示されますので検札を求められることすらありません)。もちろん、乗車券分は別途普通のSuica等で処理する必要があります。

200円割引きになってえきねっとポイントが付くのも良いのですが、特に、帰国時にまずJR成田空港駅のホームにSuicaで入場しておいてからホームで一番早い成田エクスプレスの特急券購入ができるのは大変便利です。特急券を買うのに窓口で行列してると結構時間がかかり、一番早いエクスプレス列車のチケットが買えなかったりすることもあるからです。

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「データには重量がある」とNetAppのCEO

正直、最近はエンタープライズIT系の仕事は減ってきましたがやっていないわけではありません。サンタクララのNetApp本社で開催された年次アナリストイベントに行ってきました。

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NetApp社は大手では唯一のストレージ専業ベンダーですが、その戦略は単なるストレージ機器だけではなく企業のクラウド戦略全般にも大いに関係するものだと思います。

NetApp社CEOのTom Georgeon氏のプレゼンで、同氏は”Data has mass. It’s hard to move.”(データには重量がある、動かすのは大変だ)と述べました。

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たとえば、1Gbpsの回線を使っても1TBのデータを転送するには半日かかってしまいます。クラウドでデータを高速分析するためにネットをまたがって大量データを常時転送するような設計をしてしまうと、全体としては全然高速化できないことになります。

下のスライドにもあるようにコンピューティング(計算)は、任意のクラウドで稼働したり、稼働中に別のクラウドにマイグレートしたりが比較的自由にできますが、(大量)データはそういうわけにはいきません。一般的なエンタープライズITでは大量データの処理は不可欠なので、この「データの重量」という制約条件を肝に銘じておく必要があります。

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そこで、同社が取る戦略は、データは最適な場所でしっかりと管理しましょうということです(もちろん、NetAppのソリューションを使ってということですが)。

この典型的ソリューションがNPS (NetApp Private Storage) for AWSです。これについては以前書きましたが、AWSのデータセンターの近隣にあるNetApp社の施設にユーザーのストレージをハウジングして、EC2上でアプリケーションを稼働する形態です。データの移動が最小化できるだけでなく、アプリケーションとデータが近いことから低レイテンシでのアクセスが可能であり、さらに、セキュリティや当局規制上の観点から自社データをパブリッククラウドに置けない企業のニーズにも対応できます。

あるプレゼンのタグラインでは”Pick Your Clouds, Control Your Data”と書いてありました。データは自前でしっかり管理する、それを処理するクラウドは適材適所(これにはプライベートクラウド(典型的にはOpenStackベース)も含まれます)で選びましょうということです。これは、単にNetAppのストレージ・ベンダーとしてのマーケティング・メッセージというだけではなく、あらゆるエンタープライズITのアーキテクトが考慮すべきポイントではないかと思います。

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手数料を支払わないで商標登録出願をするとどうなるのか

特許でも商標でも特許庁に出願を行なうと所定の手数料がかかります。弁理士の料金とは別の法律で定まった手数料(通称、印紙代)なので、自分で出願した場合でも支払う必要があります。商標の場合は、最低料金(1区分)で12,000円になります。

この所定の手数料を支払わないで商標登録出願をする(典型的には特許印紙を貼らないで願書を提出する)とどうなるのでしょうか?

この場合でも即時に却下されることはなく、出願としてはいったん受理されます。その後しばらくしてから、方式に違反しているということで、所定の料金を支払えという補正指令が出ます。応答期間(たぶん30日だったと思います)内に、この補正指令に対応して所定の手数料を支払えば問題なく出願が受理されて、実体審査に入ります。応答期間内に支払わないと、その段階で初めて出願が却下になります。

つまり、手数料をまったく支払わずに商標登録出願をしても、実際に却下になるまでの一定期間(おそらく2か月程度)は、出願が特許庁に係属した状態になります。また、出願公開も行なわれてしまいます。

商標は特許と違って新規性という概念がないので、出願公開されただけでは後願を排除することはできません。

しかし、仮に出願が公開されている時点で、たまたまそれと類似の商標登録を行なおうとする別の人がいると、商標の調査段階で類似先願ありと判断される可能性があります。ここで、その別の人が先願の出願人に一部譲渡やライセンスのためにコンタクトしたり、登録阻止のために特許庁に情報提供したりすると、それにより「この商標が登録されると困る人がいるのだな」ということが先願の出願人に明らかになってしまいます。ここで先願の出願人は初めて所定の手数料を支払って商標を登録し、その後で、売却やライセンス交渉を行なうことができてしまいます。

こうなる確率はかなり低いと思いますが、手数料支払わずに商標登録出願をして補正指令も無視する分には金はかかりませんので、ダメ元で大量出願するというやり方が可能になってしまいます。違法とまでは言えませんが、商標法の趣旨にも反しますし、特許庁が対価なしに余計な仕事(実体審査はしなくても補正指令の送付や出願公開の手続きが必要です)をすることになってしまいますので、何とか対策を取ってもらいたいものです。

かと言って手数料の間違いは補正の機会を与えずに即時却下という運用にしてしまうと、リアルで間違えた時にちょっと困るので難しいところです。方式審査が終わるまでは出願公開しないという運用にすればよいのかもしれません。(追記:商標法12条の2 「特許庁長官は、商標登録出願があつたときは、出願公開をしなければならない。」との関係で運用だけでは対応できないかもしれません。)

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CDが売れないならクラウドファンディングをすればいいじゃない

私も大好きな(コンサートも欠かさず行ってます)スガシカオさんがファンに対してCDを買って下さいというお願いをしています(参照記事)。CDが売れないと必要な制作費が捻出できないというお話です。

しかし、正直言って、シングル曲数曲のダウンロードでもいいやというレベルのファンに対して、フルCDの追加料金を払ってくれというのも微妙なお願いです。もちろん、その追加支払が制作費に回り、より高品質な作品につながるということはあるでしょうが、全体としては効率が悪いモデルです。

もっと直接的にファンがアーティストを支援できるモデルがあるべきだと思います。

KickstarterCampfire等の製品やテクノロジーへの投資を一般消費者に求めるクラウドファンディングサイトは有名だと思いますが、音楽の世界で同じようなことをやるサイトとしてPledgemusicがあります。

考え方はKickstarter等と類似しており、アーティストがプロジェクト(典型的にはCDの制作)をサイトに告知して、期間を設定して、ファンから制作資金のpledge(投資)を募ります。必要な投資が集まるとプロジェクトがゴーになり、ファンはpledgeの金額にしたがっていろいろな特典が得られます。

たとえば、もう終了していますが、ドラマーのスティーブガッドのプロジェクトでは、21ドル投資するととCD本体に加えてリリースの1週間前にMP3のトラックをDL可能、300ドル投資すると楽屋訪問権付コンサートチケット、530ドル投資するとガッドのサイン入りシンバル、20,000ドル投資するとスティーブガッドのバンドが家に来て演奏してくれる(!)等々、さまざまな特典が提供されています。

スティーブガッドはマスを対象にプロモーションしても効果は知れていると思いますので、コアなファンをターゲットにしつつ、中抜きをできるだけ排除して、ファンが自分の意思で支払った資金ができるだけ多くアーティスト側に回るようにするのは理にかなっています。

このように、従来型のレコード会社の機能をバイパスして、アーティスト(側のエージェント)が直接的にファンをエンゲージしていくモデルを、一般にDirect-to-Fan(D2F)と呼ぶようです。Wikipediaのエントリーは英語版しかないので(少なくとも日本では)まだ広く普及していない概念と思われます。

日本の握手券商法もD2Fの一種と言えないこともないのですが、レコード会社やマネージメント会社ではなく、アーティスト側が主導権を取る点がD2Fの本質だと思います。

まあ、今すぐスガシカオさんがPledgemusicや類似サイトで投資を募ってうまくいくかというと微妙かもしれませんが、長い目で見ると少なくともマニアックな音楽の世界ではD2F型への移行は段階的に続いていくと思います。

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特許公報から読み取るアップルのスマートホーム戦略

来週開催されるアップルのWWDC(Worldwide Developers Conference)において、スマートホーム間連の発表が行なわれるのではないかという予測記事がTechcrunchに出ています。大本はFinacial Times(要登録)のようです。

実際に発表が行なわれるかどうかの内部事情は全然知りませんが、アップルが今までに何件かのホームオートメーション関係の特許出願を行なっているのは事実であり、その一部は既に登録されています。

登録された特許で代表的なものに昨年の11月に米国で登録された8577392号(System and method of determining location of wireless communication devices/persons for controlling/adjusting operation of devices based on the location:位置に基づく装置の動作を制御/調整するための無線通信装置/人物の位置を判定するシステム及び方法 )があります。

日本では特開2013-257865として公開されていますがまだ登録されていません(というか、今まさに進歩性に関する拒絶理由に対応中です)。

一般論として、特許化されるかどうかは別として特許出願したということはそのアイデアを事業として実施する可能性が高いことを意味します(もちろん、実施する予定は特にないがライセンスの可能性もあるので出願した、あるいは、出願したがその後に事業戦略変更で実施しなくなったといったケースも十分にあり得ます)。

この特許に関しては出願が比較的最近(2012年6月)であることから、その内容を見ることでアップルがスマートホーム(ホームオートメーション)分野で何をやろうとしているかの手がかりのひとつになると思います。

US08577392-20131105-D00000

開示されているアイデアのポイントは基本的にリレー・サーバでスマホやタブレット等のデバイスから送信されるデータを読みとり目的のデバイス(電灯、室温調整、セキュリティ・システム等)を操作することにあります。さすがに、これだけでは特許になりませんので、デバイスを操作する人の位置を推測して、データを重み付けして、ルールを適用する要素がクレーム(権利範囲)に含まれています。

たとえば、人が(iPhoneを持って)外出すると自動的にセキュリティ・システムが起動するなどの応用が考えられます。

注目すべきは「リレー・サーバ」的なものを家庭に置くことが想定されている点であり、何らかの具体的製品が発表されるということかもしれません。

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