【週末小ネタ】ハイブリッドカーの安全音をどうすべきか

# このブログの更新方針として金・土・日・祝日は小ネタ中心で行きたいと思います、ということで、NetAppのクラウド戦略の続きは火曜日に書きます。

ハイブリッド車(特にプリウスのように低速時はモーターしか回らないタイプ)の静かすぎるがゆえの危険性が問題になってます。まあ、これは当然です。

トヨタもこの問題には大昔から気付いていたようで、1995年には電気自動車において人為的に音を発生させる発明を特許出願していました(特許公報(PDF))。なお、この出願は出願審査請求をしなかったので取り下げ扱いになっています。たぶん常識的すぎて特許化不可能と判断されたからでしょう。

何らかの形で音を発生させるべきというところは自明なのですが、どういう音を使うかはなかなかむずかしいですね。

1.人に不快感をもよおさない音でなければならない

チャイム音を鳴らすというのは最も簡単ですし、それなりに効果もあるようですが、やはり音として不快感がありますね(ただでさえ待ちにはチャイム音的な音があふれているのに)。「車が通りますご注意下さい」という人口音声も同様だと思います。声優さんを使うという手もあるかもしれませんが、特定の層にしか受けないと考えられます。

2.車と認識される音でなければならない

では、もっと自然にとけ込む音、たとえば、鳥の鳴き声のような音はどうかというと、聴いてる人が「あー鳥が鳴いてるな」と思って車が来てるなとは認識してくれないので問題でしょう。特に、視覚障碍者の方にとっては重大な問題です。やはりちょっと聴いただけで車だとわかる音でなければなりません。エンジン音を人工的に合成して流すという方式のはこの点では適切ですが、せっかく静粛化に苦労されてきたエンジニアの方は複雑な心境かもしれません。

3.メーカー・車種間である程度の共通化がなされなければならない

エンジン音を流すという方式の代替案としてもう少し音楽的なサウンドロゴのようなものを作ってそれを流すことが考えられます。Windowsの起動音のようなアンビエント系が良いのではないでしょうか。ただ、各メーカーが各車種ごとに勝手にサウンドロゴを作ってしまうと、車の音だと認識されない可能性が増します。かと言って、全モデルがすべて同じ音というのも味気ないですし、メーカー的にも、たとえばプリウスとレクサスが同じ音だというのでは販売戦略上まずいでしょう。

ということで私の考えとしては、アンビエント系のサウンドロゴを使うのですが、10音程度からなるメロディのモチーフを決めてそれは全メーカー、全モデルで共通にします(別に法律で決める必要はなく業界の合意にすればよい)。モチーフを決めておけば、今後、ハイブリッド社が普及するにしたがい、このメロディは車の音だという認識が一般化していくでしょう(誰が決めたわけでもないのに蛍の光が鳴るとああ閉店だなと思うのと同じ)。そして、各メーカーにはこのメロディーのモチーフを元に多少のアレンジを加える裁量権を与えます。当社の車の音は坂本龍一作だとかブライアン・イーノ作だとかエイフェックス・ツイン作(これはないな)だとかで、マーケティング上の差別化をできる要素にもなるかと思います。いかがでしょうか?

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NetApp社のクラウド戦略について(1)

#最近更新が滞っておりどうもすみませんでした。そろそろほぼ毎日更新ペースに戻します。エンタープライズIT:50%、知財:30%、翻訳:10%、雑談:10%くらいの配分で書いていく予定です。

ちょっと前になりますが、NetApp社のアナリストイベントに出席するために米国出張してきました。その内容、特に同社のクラウド戦略についてNDAに抵触しない範囲で何回かに分けて書いていこうかと思います。

まず、NetApp社についてですが、一般にはNASベンダーという認識があるのではと思います。実はこの認識はあまり正しくありません。NetApp社の製品はストレージ側にファイルシステムがあるという点で技術的にはNASなのですが、プロトコルとしては通常のファイル共用プロトコルだけではなくて、FC-SAN、iSCSI、FCOE(FC over Ethernet)等々ほぼ何でもサポートされています。DBMSなどのブロックアクセス用途にまでファイルシステムを経由させるのはオーバーヘッドが大きいような気がしますが、ベンチマーク数値を見ても通常のSANストレージ機器と同等以上の性能を発揮できています(実際、NetAppとOracle DBMSはかなり相性が良い組み合わせであり、両社のパートナー関係も良好です)。結果的に、ローエンドからハイエンドまでの多くの用途にシングルアーキテクチャで対応できる点がNetApp社の製品ラインの特徴です。

さて、同社のクラウド戦略ですが、当然ながらクラウドのために独立したセッションが用意されていました。いかなるベンダーであっても、現時点では、アナリスト向けに何らかのクラウドのストーリーを提供できないと厳しい状況になっていると思います。

私は、クラウドの議論をする時にはその議論の文脈における「クラウド」の意味を明確化しておく、いわば、ローカル定義しておくべきであるという話を良くしています。クラウドの定義が多様化しており、ひとつにまとめるのは困難であることから、せめて議論の文脈においては、どういう意味でクラウドという言葉を使っているのかをはっきりさせましょうということです(そういう意味では、「クラウドとは何か」から始まらないクラウドのプレゼンテーションには懐疑的になってしまいますね)。(クラウドの定義について書いた日経BPサイトの記事

その点では、NetAppは賢明にもちゃんとクラウドを明快に定義した上で議論を展開していました。NetAppでのクラウドの定義は”IT as a Service”というものです。具体的には、IaaS+SaaS+PaaS+StaaSということになります(ストレージ・ベンダーとしては当然と思いますが、STaaS(STorage as a Service)をIaaSから切り離して定義しています)。企業向けITベンダーとしてはこう定義するのが一番自然であると思います。

ベンダーがクラウド戦略について考える時には、以下の3つの方向性で考えることが重要であるというような話を以前書きました(日経BPのサイトにも同様の内容をより詳しく書いてます)。

1.クラウド・プロバイダーに対してシステムや運用管理ツールを販売する
2.クラウドを活用するユーザー企業のインテグレーションを支援する
3.自らがクラウド・プロバイダー事業を行なう

NetAppのクラウド戦略の方向性は明快で、上記の1のみを追究するというものです。理由は単純で「パートナーと競合したくない」ということであります。同社は今のところ製品テクノロジーに徹したベンダーですので当然の戦略とも言えます。

さて、ここでポイントとなるのが、クラウド市場でどう差別化要素を提供していくかです。クラウド基盤の設計思想は安価なコモディティ・ハードを大量に使うことで、パフォーマンスと信頼性を確保することにあることが多い(それがすべてではないですが)中で、ハードベンダーの差別化はなかなか困難です。この困難な課題に対するNetAppの回答については次回に。

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【雑談】iPhone用レザーケースのレビュー

前回の記事に書いたPDAIR社のレザーケースがもう届きましたので簡単にご紹介します。

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値段(3,990円)の価値はある質感の高さだと思います。ビジネスの場でもまったく問題なしと思われます。PDAIRのロゴがなければ、COACHだと言っても通用するかもしれませんw。色は黒・赤・茶の3色あるのですが、私が注文した時は茶しかありませんでした。赤は色落ちするとの説がありますし、茶のケースと白のiPhoneの組み合わせはなかなかおしゃれなので結果的に正解でした。

フラップはよくあるマグネットで止める方式ではなく、プラスチックの枠に革のフラップを単にはめ込む仕組みになってます。マグネットがないのでiPhoneのコンパスに影響がないのは良いのですが、長く使っているとバカになりそうな気がしてちょっと心配です。

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iPhone固定の縁取りは最小限ですので入力はしやすいと思われます。革ケースで縁取りが大きいタイプだと画面の端部分でのタッチがし難いことがあるようです。

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iPhone本体が結構露出しますので、カメラ使用やその他の操作の邪魔にはなりにくいですが、上部角部分の落下時補強という点では最小限でしょう。かなり頑丈なストラップ/カラビナ取り付け部がついてます。ここからちぎれることはまずないでしょう。丸いところはベルトクリップの取り付け部分。これは個人的にはいらなかったですね。

しばらく使ってみないと何とも言えないですが何となく良さげだと思います。

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【雑談】iPhone 3GSとiRealBookについて

iPhone 3GSもう少し待とうか(Androidの様子も見たいし)と思っていましたが、結局買ってしまいました。実際使ってみると今まで使ってたWindows Mobile機(X01HT)とは雲泥の使い心地です(両者の差異についてはまた書きます)。

しかし、やはりストラップが付かないのは困りますね。自分は基本的にはネックストラップを使いたいのです。ネックストラップで携帯というのはかなりオッサン臭がが強いと思いますが、実際オッサンなのでしょうがありませんw。やはり「デジタルネイティブ」にはストラップは人気がないのかストラップが付くタイプのケースはあまりないですね。シリコンケースでストラップが付けられるものもありますが、これは使ってるうちにストラップ接続部がちぎれるのが充分に予測されるので避けたいです。

また、後生大事にケースに入れてその都度出して使うなどはめんどくさくてやってられません。とは言え、画面が傷つくのはちょっといやなので画面の保護対策は欲しいです。かと言って保護シールは、うまく貼れなくて気泡が入ったりして汚くなりがちなので避けたいものがあります。

そうなると選択肢としては、フラップ式で、iPhoneをケースから出さずに使用でき、ストラップが付けられるケース(ストラップ接続部は頑丈であること)ということになります。いろいろ探しましたがほぼ唯一の選択肢がPDAIRレザーケース(縦開き)という商品のようです。現物見ないで買うのは不安ですが、店頭では探しても見あたらなかったので通販で買ってしまいました。

iPhoneを入手してすぐ買ったのがiRealBookというソフトです。ジャズのスタンダート曲のコード進行だけを表示できるアプリケーションです(著作権の関係でメロディデータは入っていません)。要するに演奏する時のアンチョコ用です。「本物のジャズミュージシャン」であればスタンダード曲のコード進行は全部覚えているべきなのですが、めったにやらない曲だったりすると忘れてしまうことがあります。また、歌の人の都合で移調しなければいけないこともあります(これまた、「本物のジャズミュージシャン」はあらゆるスタンダード曲をあらゆるキーで弾けなければなりません。)さらに、私の場合テナー・サックスとオルガンの両方を演奏するという事情があります。コードは基本的にテナーサックスのキー(Bフラット)で覚えていますので、オルガン弾いたときに頭が混乱してよく間違えることがあります。というわけで、オルガン弾くときはコード進行見ながら弾くことが多いです(私は「本物のジャズミュージシャン」ではないのでしょうがありません)。

iRealBookは約650曲入ってますので重要スタンダードはほぼカバーされてますし、自分で曲を追加することもできます。当然、転調は自由にできます。使ってる間にスクリーンセイバーが起動してしまったりすることがないようになってます。また、暗いステージで演奏する時に目障りにならないように、白地に黒ではなく黒地に白で表示できる機能もあります。なかなかかゆいところに手が届いています。しかし、そもそも音はまったくでませんし、前述の通り、メロディは表示されないので楽譜の代わりにはなりません。あくまでもジャズミュージシャンの覚え書き用です。そういうわけなので、かなりユーザー層は限られていますが、そこそこ売れているようです。

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ところで、RealBookとは何かということなのですが、元々は米国で出回っていたアングラの(著作権無視の)楽譜集の名称です。昔は、米国の楽譜屋さんで「RealBookありますか?」と聞くとカウンターの下から出してくれたそうです(まるで裏本)。なお、現在売られている同名の本は権利処理が行なわれているバージョンです。

なぜ、RealBookと呼ばれるかというと、昔からジャズ等でテーマのメロディを崩して吹くことをフェイクすると言っています。ゆえに、フェイクの元とするための有名曲の楽譜集をFake Bookと呼ぶようになりました(この呼び方は今でもされます)。で、Fake(偽物)→Real(本物)の言葉遊びでスタンダート曲集がRealBookと呼ばれるようになったとされております(どーでもいい豆知識ですみません。)

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廃盤ジャズCDの再発と再販制度について

マニアックなお話しではあるのですが、私が最も好きなジャズミュージシャンを一人挙げよと言われれば「スティーブグロスマン」ということになるでしょう。相当ジャズ好きな人でないとご存じないかもしれませんが、爆音とアグレッシブなソロラインを特色とする天才肌のサックス奏者です。ミュージシャンズ・ミュージシャンの一人と言って良いでしょう。というわけで、グロスマンのCDは積極的に集めてきたのですが、超有名という人でもないので廃盤になって入手困難なCDも結構あります。

そのような入手困難盤のひとつ”Perspective”がようやく再発され無事入手することができました。まあ正直、80年代初期風のフュージョンサウンドが時代を感じさせ、万人にお勧めできる作品ではないですがグロスマンのソロはすばらしく、ファンの人にとっては今回の再発は大変よろこばしいことでしょう。

さて、このCD、元々はAtlantic Recordから出ていたものですが、再発はWounded Bird Recordsというところから出ています。この会社は、昔のAtlanticのマイナーな作品をどんどん再発している会社のようです。しかもお値段もそれほど高くありません。

同じ流れで言うと、故マイケルブレッカー参加時代のSTEPSの入手困難盤であるSTEP BY STEPもNYC Records(STEPSのリーダーであるマイクマイニエリが運営するレコード会社のようです)というところに注文しました(これはまだ届いてません)。このSTEP BY STEPというCDは日本コロンビア制作ですが長らく廃盤状態で中古市場ではとんでもない値がついていました。

グロスマンに話を戻すと、幻のレコードのひとつとして、チックコリアの「日輪」というレコードがありますが、これも結局CDでは再発されていません。制作は東芝EMIです。さらにいうとビクター(当時)製作の「フィルウッズ&ジャパニーズリズムマシン」という作品も入手困難で、中古価格が高騰しています。

何となくではありますが、日本制作の昔のマイナーなジャズ(フュージョン)レコードが再発される可能性は結構低いような気がします。

「そんなこと言ったってレコード会社もビジネスでやっているのだから売れない作品の再発なんてやってられない」という声が聞こえてきそうですが、日本独自の制度である再販制度に対する批判があるとレコード会社(というかコンテンツ提供側)は必ず「CD(書籍)は文化にかかわる商品であり、市場原理だけにまかせていると、売れ筋の商品ばかりが流通することになり、商業ベースに乗りにくい良質な作品を聴く機会が埋もれてしまう」と反論してきます。

この主張によれば、再販制度がある日本→レコード会社は目先の商売だけにとらわれずマイナーなコンテンツも積極的に流通できる、再販制度がない諸外国→ビジネス的においしくないマイナーなコンテンツが流通しなくなる、ということになります。しかし、少なくともジャズ廃盤作品の再発状況を見てみると、市場原理だけにとらわれずマイナーでも良い作品を商売気抜きで積極的に再発しようとしているのは再販制度のない米国のレコード会社であるように見えます。

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