【はてブコメント返し】 Google和解案に対する権利者団体の意見がだいたい出揃ったようです

ついでにこのエントリーへのはてブコメントにも回答(というか意見)を書いておきます。

mohno mohno 突っ込まれそうなところを突っ込んでいるが、「和解金をゲット」<入金先を登録する必要があるのだからオプトインで十分。2009/04/28

それは手続きとしてはあるかもしれないなと一瞬思いましたが、米国人はオプトアウト、外国人はオプトインというのはベルヌ条約的にどうなのかが気になっています。残念ながら、ベルヌ条約の逐条解説が日本版、英語版共に絶版になっていますので、今度図書館に行ったときに調べます(あーこんな時にGoogle Book Ssearchで絶版本が買えたらなあw)

また、米国人も外国人も両方オプトインにすればよいではないかとの説もありますが、Authors Guild(著作権者代表)としてはこの和解が著作権者の利益になると考えているので手続きをしないと権利が発生しないとするのは認めたがらないのではないかと勝手に想像します。(権利の発生要件と手続き上の要件は別の概念です)。

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【速報】Google Book Search和解に司法省の調査

新野さん(PublicKey)に先を越されてしまったので中身についてはそちらをご参照下さい。もちろん、直ちに独禁法違反の疑いありというわけではないですが、大きな考慮点のひとつではあります。

1点だけ気になるのは元記事の中でGoogleと版権レジストリの契約がexclusive(独占排他的)であると書いてある点です。これは、non-exclusive、つまり、他社も同じことをやろうと思えば契約的にはできる(実行能力があるかどうかは別)と思っていたのですが、この点については調べ直して書きます。まあ、和解の意思表示の〆切りも伸びたのでそんなに急がなくてもよいかもしれませんが。

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【はてブコメント返し】せっかくの「地デジカ」バズを台無しにする民放連について

4/28のエントリー『せっかくの「地デジカ」バズを台無しにする民放連について』にいくつか意見が寄せられているので、この場で回答します(はてブで応答すると文字数的に厳しいですし)。

mitsu0227mitsu0227 バズだって、ぶはははは。ねーよ、そんなもん。バズなんてオタの幻想。アルファブロガーなみの”(笑)” 2009/04/29

バズはあるよ(笑)。最新の動向を何でもかんでも持ち上げる人も困りますが、既に定着した動向を何でもかんでもけなすのもどうかと思います。ソーシャル・メディアによるクチコミ・マーケティングはもはや特別なものではありません(失敗するケースが異常に多いのは確かですが。)バズ・マーケティングが最も成功した例はオバマ大統領の選挙戦でしょうね。facebook共同設立者のクリス・ヒューズ氏が大きく貢献したと言われています。まあ、オバマ大統領の当選がたいした話ではないと思うのならば、バズ・マーケティングも無視してよいかもしれません。

RRD RRD 我田引水はなはだしい。バズとか言う奴にろくな奴がいなかった件について/「認知度向上のためのキャラクター」そもそも地デジはもはや認知の段階じゃないだろ2009/04/29

これも同上ですね。それから、地デジの認知が充分ならそもそもキャンペーンもいらないと思うのですが。mitsu0227さんもPRDさんもまだ学生あるいは社会人なり立てなのであれば、いろいろな会社の人と話したり本を読んだりして、幅広い知識を身につけることをお勧めします。

nakex1 nakex1 二次創作等の広告効果はどんなキャラにも期待でき,多くのキャラを扱う放送局としてはその理由で認めると公言する前例は作り難い。まして地デジカは民放全体が影響を受けるので特に認めることが難しい対象だろう 2009/04/29

まあこういう「大人の事情」はあるでしょう。また、「断固として許さない」の発言の出典が未来検索ガジェット通信しかないので、どういう立場の人が答えたのか、どういうニュアンスだったのかがわかりにくいということはあるでしょう。現場の人はどんどん使って欲しいと思っているのに、法務部門の人が建前論を話してしまって(というか立場上建前論しか話せない)というのはよくあるケースと思われます。

ところで、あのせんとくんのライバル「まんとくん」の使用規定では、個人・小規模グループでの紹介目的の利用・二次創作は自由かつ無償となっています(企業による利用は別途許諾必要)。プロモーションを目的としたキャラであればこれくらいの条件が妥当ではないかと思います。

さて、今後もはてブのコメントでこちらに対する意見と考えられるものについてはこういう感じで回答していこうと思いますが、いちいちはてブを介すのもめんどうな ので、意見がある方は直接このブログにコメントした方がよろいしいんじゃないかと思います。さあ、恥ずかしがらないで(笑)。

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【速報】Google和解のデッドラインが9月に延長

Tim O’reillyのTwitterでの情報によれば、5月5日に予定されていたGoogle和解への不参加の意思表明の〆切が9月4日に延長されたそうです(ソース)。さすがに検討期間短すぎという意見は日本だけではなく、米国においてもあったようなので妥当な措置といえましょう。

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せっかくの「地デジカ」バズを台無しにする民放連について

拙訳『オープンビジネスモデル』においてヘンリーチェスブロー教授は知財管理とビジネスモデルの整合性確保が重要であると述べています。その例として、中国におけるWindowsの不正コピーをある程度認容する趣旨の発言をしていたビルゲイツの例を挙げています。不正コピーを過剰に規制すると中国のパソコンユーザーがLinuxに流れてしまうがゆえの対応です。知的財産権を杓子定規に行使することで長期的に大きなビジネスを失って損をすることもあるということです。

ここ数日の地デジカに関する騒動を見てこの話しを思い出してしまいました。ご存じない方のために、簡単にまとめておくと以下のようなお話しです。

民放連による地デジ推進キャラ地デジカ発表(ソース) #なお、草彅の緊急代理というわけではなく前から決まっていた話のようです(草彅は総務省のキャラ、地デジカは民放連のキャラ)

いじりやすい脱力系キャラということもあり、あっと言う間にpixiv等を中心に派生キャラ(一部萌え系)が大量に投稿される(ソース

民放連担当者が取材に対して、

「地デジカの著作権ですが、世にある他のキャラクターと同様、無断掲載には厳しく対応していきます。一般のブロガーの方がブログに掲載したり掲示板に載せることも、著作権の問題がありますので黙認することはしません」

「特に、二次創作キャラクターの作成や掲載につきましては、許されるものではありませんので、見つけ次第、厳しく対応していきます」

と発言(ソース

ネットでの批判が高まり、「アナログマ」、「恥デジカ」などの抗議(?)キャラクターも登場 ← イマココ

という状況です。

地デジの認知度向上のためのキャラクターなのですから、いじられてなんぼだと思うのですが、この民放連担当者の頭にはバズマーケティングという概念はないのでしょうか?今からでも遅くないので「過剰なエロや商用利用はご勘弁願いたいが、それ以外の利用や派生キャラについては地デジカが愛されているがゆえと考えたい」くらいの気の利いたことを言ってもらいたいものです。

これは著作権制度がどうのこうのという話しではありません。企業のビジネスモデル(というかマーケティング戦略)の話です。

訂正(09/40/30 9時頃)
上記の時系列がちょっと違ってました。「恥デジカ」の登場は、「二次キャラ断固許さない」の報道がされる前だったようです(ソース)。この時点でドメインまで取ってやるのはちょっと悪ふざけがすぎたと個人的には思います(ただ民放連も先に関連ドメイン取っておかないのはうかつにすぎるとも思いますが)。

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