【お知らせ】日経BPのMDMセミナーで講演します(6/2)

6月2日に行なわれる日経BP社主催「マスターデータマネジメント・カンファレンス2009会社を強くする新データ管理手法?戦略的情報活用セミナー?」(長い)で講演します。場所は青山ダイヤモンドホール。入場無料です。詳細はこちら

MDM(マスターデータマネジメント)とは企業内に存在する多様なマスターデータベースの中身の標準化や同期を行なう取り組みやテクノロジーのことです。地味ではありますが企業ITの最重要部分です。はるか昔から企業が取り組んできたにもかけわらず、なかなか決定的な解決策がない「永遠の課題」的なトピックでもあります。

およそ30年前、私が日本IBMの新人SEとして研修を受けていた時にも、「企業内のデータの標準化を行なうためにデータ・ディクショナリを構築しましょう」みたいなことを習ったのを覚えています。当時は、「なんでそんなものが必要なの?そもそもデータを標準化してそれに基づいて設計するのがデータベースではないの?」と大学の情報工学の授業レベルの知識で考えていたものでした。

当然ながら、現実の情報システムでは、完全な標準化を行なってそれに基づいてすべてのシステムを作るというような理想は実現不可能です。かといって、各アプリケーションが勝手にやっていたのではカオスになるだけです。この理想とカオスの間の現実的な解決策を見つけることこそが、MDM(というよりもあらゆるシステム統合プロジェクトの)ポイントです。適切な妥協点を見つける上での勘所についてお話しする予定です。

他には、IBM、インフォテリア、オラクル、P&G、大日本印刷の講演者が話されます。私としては、P&Gというグローバルな企業の品番管理はどうなっているか(国ごとに製品体型が異なったり、中身は同じで名前が違ったり、名前が同じでも中身が違ったりすると思うので)が特に興味あるところです。

カテゴリー: お知らせ | コメントする

民放連は地デジカ二次創作を「断固として許さない」わけでもなさそうだ

ソースがZAKZAKですが、『卑猥な表現やめて!! 「地デジカ」パロディー続出』では、

自作のイラストを掲載するSNSサービス「pixiv(ピクシブ)」にはパロディー画が急増。身につけた黄色の水着風の上着をスクール水着に描き変えた萌え系の女性キャラ版や、筋骨隆々のリアルイラスト版など、さまざまな作風の地デジカが公開されている。(中略)

こうした事態に、民放連は「卑猥な表現をしているものも見受けられる。節度ある描き方をしてほしい」と、かわいい地デジカが陵辱され放題の現状を憂慮している。

と書いてあります。「未来検索ガジェット通信」の記事タイトルの「断固して許さない」というニュアンスがだいぶ違いますね。「節度ある描き方をすれば二次創作を黙認する」と言っているように取れます。

ひょっとすると答える人によって考え方は様々ということかもしれません。この手のキャラを発表する際には二次創作に対する立ち位置のコンセンサスを事前に組織内で確立しておくべきと思いました。

カテゴリー: メディア, 著作権 | タグ: | コメントする

【はてブコメント返し】 Google和解案に対する権利者団体の意見がだいたい出揃ったようです

ついでにこのエントリーへのはてブコメントにも回答(というか意見)を書いておきます。

mohno mohno 突っ込まれそうなところを突っ込んでいるが、「和解金をゲット」<入金先を登録する必要があるのだからオプトインで十分。2009/04/28

それは手続きとしてはあるかもしれないなと一瞬思いましたが、米国人はオプトアウト、外国人はオプトインというのはベルヌ条約的にどうなのかが気になっています。残念ながら、ベルヌ条約の逐条解説が日本版、英語版共に絶版になっていますので、今度図書館に行ったときに調べます(あーこんな時にGoogle Book Ssearchで絶版本が買えたらなあw)

また、米国人も外国人も両方オプトインにすればよいではないかとの説もありますが、Authors Guild(著作権者代表)としてはこの和解が著作権者の利益になると考えているので手続きをしないと権利が発生しないとするのは認めたがらないのではないかと勝手に想像します。(権利の発生要件と手続き上の要件は別の概念です)。

カテゴリー: 著作権 | タグ: | 2件のコメント

【速報】Google Book Search和解に司法省の調査

新野さん(PublicKey)に先を越されてしまったので中身についてはそちらをご参照下さい。もちろん、直ちに独禁法違反の疑いありというわけではないですが、大きな考慮点のひとつではあります。

1点だけ気になるのは元記事の中でGoogleと版権レジストリの契約がexclusive(独占排他的)であると書いてある点です。これは、non-exclusive、つまり、他社も同じことをやろうと思えば契約的にはできる(実行能力があるかどうかは別)と思っていたのですが、この点については調べ直して書きます。まあ、和解の意思表示の〆切りも伸びたのでそんなに急がなくてもよいかもしれませんが。

カテゴリー: 著作権 | コメントする

【はてブコメント返し】せっかくの「地デジカ」バズを台無しにする民放連について

4/28のエントリー『せっかくの「地デジカ」バズを台無しにする民放連について』にいくつか意見が寄せられているので、この場で回答します(はてブで応答すると文字数的に厳しいですし)。

mitsu0227mitsu0227 バズだって、ぶはははは。ねーよ、そんなもん。バズなんてオタの幻想。アルファブロガーなみの”(笑)” 2009/04/29

バズはあるよ(笑)。最新の動向を何でもかんでも持ち上げる人も困りますが、既に定着した動向を何でもかんでもけなすのもどうかと思います。ソーシャル・メディアによるクチコミ・マーケティングはもはや特別なものではありません(失敗するケースが異常に多いのは確かですが。)バズ・マーケティングが最も成功した例はオバマ大統領の選挙戦でしょうね。facebook共同設立者のクリス・ヒューズ氏が大きく貢献したと言われています。まあ、オバマ大統領の当選がたいした話ではないと思うのならば、バズ・マーケティングも無視してよいかもしれません。

RRD RRD 我田引水はなはだしい。バズとか言う奴にろくな奴がいなかった件について/「認知度向上のためのキャラクター」そもそも地デジはもはや認知の段階じゃないだろ2009/04/29

これも同上ですね。それから、地デジの認知が充分ならそもそもキャンペーンもいらないと思うのですが。mitsu0227さんもPRDさんもまだ学生あるいは社会人なり立てなのであれば、いろいろな会社の人と話したり本を読んだりして、幅広い知識を身につけることをお勧めします。

nakex1 nakex1 二次創作等の広告効果はどんなキャラにも期待でき,多くのキャラを扱う放送局としてはその理由で認めると公言する前例は作り難い。まして地デジカは民放全体が影響を受けるので特に認めることが難しい対象だろう 2009/04/29

まあこういう「大人の事情」はあるでしょう。また、「断固として許さない」の発言の出典が未来検索ガジェット通信しかないので、どういう立場の人が答えたのか、どういうニュアンスだったのかがわかりにくいということはあるでしょう。現場の人はどんどん使って欲しいと思っているのに、法務部門の人が建前論を話してしまって(というか立場上建前論しか話せない)というのはよくあるケースと思われます。

ところで、あのせんとくんのライバル「まんとくん」の使用規定では、個人・小規模グループでの紹介目的の利用・二次創作は自由かつ無償となっています(企業による利用は別途許諾必要)。プロモーションを目的としたキャラであればこれくらいの条件が妥当ではないかと思います。

さて、今後もはてブのコメントでこちらに対する意見と考えられるものについてはこういう感じで回答していこうと思いますが、いちいちはてブを介すのもめんどうな ので、意見がある方は直接このブログにコメントした方がよろいしいんじゃないかと思います。さあ、恥ずかしがらないで(笑)。

カテゴリー: メディア, 著作権 | タグ: | コメントする