【実務者向け】「請求項1から請求項10のいずれかに記載のプログラムを実行するシステム。」といったクレームドラフティングについて

ソフトウェア発明の明細書では、プログラム・クレーム(あるいは方法クレーム)を中心にクレームドラフティングして、権利行使のしやすさ等を考慮して、最終的に同等の構成要件を含むプログラム・クレーム、方法クレーム、装置(システム)クレームを作るということが多いと思います。

しかし、(たとえば、請求項1から請求項10で)方法クレームをちゃんと作っておいて、
【請求項11】請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法をコンピューターに実行させるプログラム。
【請求項12】請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法をを実行するよう構成されたコンピューター・システム。

と選択的従属項を使ってプログラム・クレームと装置(システム)クレームを作っている出願があります。ちゃんと登録されているものもあります。こうすると30クレーム必要なものが、12クレームで済むので料金を節約できますし、整合性欠如のミスも防げますね。明確性要件を問われそうな気もするのですが、もし言われたら、ばらかせば済む話なのでチャレンジする価値はあるのではと思います。特に、ソフトウェア発明を装置クレームで記載すると、ハードウェアの構成要素を書かざるを得ず、権利行使がしにくくなりそうなこと(ハードウェアの構成を変えることで回避されてしまいそうなこと)もあるので便利そうな気がします。

ただし、今年の4月1日から、審査基準の改正によりマルチマルチクレーム(選択的従属項に対する選択的従属項)が使えなくなる可能性が高いので、この手法も使いにくくなるかもしれません。とは言え、上の例で言えば、請求項1から請求項10の方法クレームにおいては、選択的従属項を使わなければ済む話なのですが。

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