中山先生の『特許法』が10年ぶりに全面改訂されました

私の弁理士受験生時代(7年ほど前)には特許法の基本書と言えば中山信弘先生の「法律学講座双書 工業所有権法〈上〉特許法」でした(吉藤先生の「特許法概説」も使ってましたが、もうその時点で入手困難となっていました)。

日本における知財研究第一人者に対してちょっと失礼な言い方かもしれませんが、中山先生は法律の研究者としては文章が明解で非常に読みやすいです。その一方で内容は知財制度の本質に迫る深いもので大変に刺激を受けました。この本に出会えなければ私の弁理士受験も挫折していたかもしれません。しかし、最終改訂が2000年であることから、教科書としてはちょっとお勧めしにくい状況にありました。

この中山「特許法」がこのたび10年振りに全面改定されました。タイトルは、シンプルに「特許法」となっています(工業所有権法(下)というタイトルの本(たぶん意匠法・商標法を想定)はもうなしになったということでしょう)。

今ちょっと忙しくてあまり深く読めていないのですが、前版と同じく明解な文章で大変読みやすいです。コモンズ、ソフトウェア特許、パテント・トロールなどの今日的課題についても(厚くではないですが)触れています。同じく中山先生の『著作権法』と同様に入門書ではないので、未経験者がいきなり読んですぐわかるタイプの本ではないですが、弁理士受験生だけではなく、この分野に興味がある人は是非一度読んでおいていただきたい本です。

なお、前版は縦書きだったのですが、今版は横書きになっています。個人的には横書きの方が明らかに読みやすいです。法律書といえども無理に縦書きにする必要はないのではと思います(そういう意味では、工業所有権法逐条解説(通称、青本)も横書き化してくれないかと思います)。

ところで、中山先生が担当されていた特許関連書籍でしばらく改訂されていないものに「注解特許法(上・下)」もあります(こちらは個人が通読する本というよりは特許事務所等で参照用に置いておくタイプの本です)が、こちらも改訂作業が続いているようです(twitter経由のクチコミ情報です)。

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