4月以降も特許証を紙で入手できる良い方法を考えたと思ったのですが..

2023年4月から特許証(登録証)を含むいくつかの書類がオンライン発行となり、原則的には、紙で発行されなくなります(参照特許庁ページ)。特許証はあってもなくても権利には関係ないですし、諸外国でも紙では発行されなくなっている国がほとんどになってきたので必然的な動きかと思います。しかし、やはり、クライアントの中には、応接室に飾る等のために紙の特許証や登録証が欲しいという方もいらっしゃると思います。

4月以降もオンライン発行ではなく、紙での発行を指定することも可能ですが、そうすると特許証だけではなく、年金領収書、商標更新申請登録通知、移転登録済通知、識別番号通知等の他の書類も紙での発行になってしまいます。管理を考えると、これらの書類はオンライン発送にしたいですね。要は、特許証(登録証)だけは紙(または、紙+PDFで)、それ以外の書類はオンラインで送ってもらうようにしたいのですが、そうはできません。

ここでちょっとアイデアを思い付きました。特許料(登録料)の納付は誰でもできます。そして、特許証(登録証)は納付者に送付されます。ゆえに、弁理士の識別番号の代わりに個人としての識別番号を取得し(実際私も個人の識別番号持ってます、弁理士本人が出願するパターンではこうしろと特許庁に言われました)、そして、個人としては紙での発送を指定し、特許料(登録料)の納付手続だけ個人(非弁理士)の識別番号でやればよいのではないかと。

特許庁に確認しましたが、確かにそうなることはなるのですが、そもそも、弁理士であっても非弁理士の識別番号を使って業として他人の特許料納付を行うと弁理士法違反とのことです。

ということで、どうしても紙で欲しいというお客様には、別途費用を取るなりして印刷してあげるしかなさそうです。

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インターネット出願ソフト用マイナンバーカード電子証明書更新における注意点

インターネット出願ソフト用の電子証明書はマイナンバーカードのものを使っています(関連過去記事)。無料なのと更新が5年に一度なのが便利です。ICカードリーダーが必要ですが、e-Tax用に買ってあった物を流用しています。細かい話ですが、使っている定番のリーダー(NTT-Com SCR3310のOEM品)がサポート切れになっていますが、Win11でもちゃんと動きます。

その5年ごとの更新時期が来ました。更新期日の3カ月前になるとインターネット出願ソフトのログイン時(および特許庁との送受信時)に警告が表示されます。また、役所からも通知の郵便物が来ます。

更新は居住する自治体の役所で行なう必要があります。勤務先で昼休みにちょっと更新なんてことができないのでちょっと不便です。更新はカードだけ持っていけばできます(通知の郵便物、身分証明書等は不要)。暗証番号とパスワード必要ですが、それは、インターネット出願ソフトのログイン時に毎日入力しているので忘れるわけもありません。

役所での更新手続自体はすぐに終るのですが、その後、インターネット出願ソフトを使用するときに、改めて利用者登録手続(電子証明書の追加)が必要になります。インターネット出願ソフトにログインすると指示が出ます。平日の午前中に手続してもその日の18時にならないと追加されません(追記:という旨のメッセージが出ましたが実際には13時には有効になっていました)。ということで、電子署名書更新後すぐに何かの手続が必要といったパターンの場合は注意が必要かと思います。

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キーボードをエレコムの激安(1500円)にしたらめちゃ快適に

商売柄1日の大半をキーボードを打って過ごしていますので、キーボードは大変重要です(まさに、「馬の鞍」のような存在です)。

仕事用のキーボードはここずっと東プレのテンキーレスを使ってました。キータッチがやや軽いような気がしますがまあ満足しています。ちなみに、HHKB(Happy Hacking Keyboard)はキータッチは良いのですが、自分はカナ漢変換にPFキーを多用するタイプなので、独立しており、かつ、4つごとにブロック化しているPFキーがあるモデルじゃないとダメなので検討対象外です。

東プレは特に問題なかったのですが(黒モデルなのでキートップの文字が剥げて見にくくなってきましたがどっちにしろブラインドタッチなので関係ない)、机上がとっちらかるのを避けるためにワイヤレスキーボードが欲しくなってきました。

東プレのワイヤレスはちょっとお高いので、ロジクールのK855を買ってみました。赤軸のメカニカルです。PCを3台まで瞬時に切り替えて使えるなど機能的にはよろしいのですが、どうもキータッチが軽すぎて自分の好みではありません。

自分のタイピングスタイルは、強い・速い・不正確というものなので、K855だと隣のキーに軽く触れてしまい誤入力するケースがものすごく増えてしまいます。

しばらく我慢して使ってたのですが、ガジェット系のYouTubeチャンネル「吉田製作所Y」の動画で、ELECOMの格安キーボードが結構良いという情報を入手したので、買ってみました。Amazonで約1500円です。メンブレンの安物ですがキータッチも悪くなく、キーを底まで打たないと入力されないこともあって、逆に誤入力が圧倒的に減りました。なお、接続先PCを切り替えるなどの気の利いた機能はありません。元々は家のPC用に買ったのですが、仕事場用にもう1台追加しました。

一般にツールというものは個人に合うかどうかなので、値段とかブランドとか他人の蘊蓄とかは気にせずに自分の好みで選ぶことが重要ではと思いました。なお、マウスについては、ロジクールのMX Master 3Sを使ってます。約16,000円とお高めですが、こちらは大変快適なので変えるつもりはありません。安いマウスは自分的には辛いです。もちろん、人によっては安いマウスで全然OKということもあるでしょう。

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【実務者向け】PCT国内移行で19条補正後の翻訳文を提出した場合の注意点

19条補正を行ったPCT出願を国内移行する際に、補正後の請求の範囲の翻訳文だけを提出することができます(184条の4第2項)。この場合において、出願人が、国内段階の自発補正で19条補正前のクレームに戻したいという希望があったとします。

184条の4第2項を適用すると補正後の請求の範囲が日本国内出願時の請求の範囲として扱われる(184条の6第3項)ので、自発補正の根拠は「補正前のクレームに書いてありました」では駄目で、明細書から拾ってこなければいけないのだろうと思い、特許庁に確認したらやはりそうでした。

まあ、明細書に書いてなければどっちにしろサポート要件違犯なので不可能な作業ではないのですが、ちょっと面倒です。クレームの内容をそのまま明細書にも記載する流儀の明細書だと簡単なのですが、外内の場合、必ずしもそうなってないケースが多いですよね。

あまりないとは思いますが、19条補正の翻訳文なしでオリジナルのクレームで国内移行し、別途、自発補正した方が良いケースもあるかもしれません。

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外国語特許出願の国内書面提出を期限徒過しても救済可能

今年(令和5年)の4月1日より、一部の手続の期限について、「故意でなければ」救済可能という特許法の改正が施行になりました。

特許庁の当該ページを見ると、特許における対象の手続として以下が挙げられています。

(1)外国語書面出願の翻訳文の提出(特許法第36条の2)
(2)特許出願等に基づく優先権主張(特許法第41条)
(3)パリ条約の例による優先権主張(特許法第43条の2)
(4)出願審査の請求(特許法第48条の3)
(5)特許料及び割増特許料の追納(特許法第112条の2)
(6)外国語でされた国際特許出願の翻訳文の提出(特許法第184条の4)
(7)国際特許出願における在外者の特許管理人の選任の届出(特許法第184条の11)

この(6)の「外国語でされた国際特許出願の翻訳文の提出」ですが、国内書面を出していたにもかかわらず、翻訳文を期限までに出さなかったケース(翻訳文提出特例期間が適用される場合に期限を国内書面提出から2カ月目ではなく、国際出願の優先日から32カ月目と勘違いしてしまうミスはありそうです)のみに適用されるのではなく、そもそも国内書面を国際出願日の優先日から30カ月目までに出していない場合にも適用されます。

上記の特許庁ページにも書いてあるように、翻訳文を(国際出願翻訳文提出書ではなく)国内書面と共に提出すれば、「故意でない」、回復期限内、追加料金(21万円痛い)等の要件が満足されれば救済されます。

この点、いまいちはっきりしなかったので、特許庁の方式審査課に「国内書面が期日までに出せなかった点はどうなるのか?」と聞いてみたのですが、「救済の対象になるのは翻訳文提出であって国内書面提出ではありません」等の微妙に方向性がずれた回答しか得られませんでした。

しかし、ちゃんと法文を読んでみると国内書面については気にする必要がないことがわかりました。国際出願(PCT)出願が取下・却下になる場合は2パターンあります。

(1)外国語特許出願の場合

期限までに翻訳文を提出しないと184条の4第3項により否応なしに取下擬制となります。

(2)日本語特許出願の場合

期限までに国内書面が提出されないと184条の5第2項により、特許庁長官は補正命令を出すことができ(任意規定)、この補正命令に期限内に従わないと184条の5第3項により特許庁は出願を却下できます(任意規定)。

すなわち、国内書面を期日までに出さなかったことだけを理由にいきなり出願が取下・却下になることはないということです(少なくとも補正命令は出ます)。

期限徒過した翻訳文を184条の4第4項の救済規定により国内書面と共に提出すると、184条の4第5項の規定により、翻訳文は期限日(優先日から30カ月目)に提出されたとみなされるので、国内書面についてもこれでクリアーになるのか、一度補正命令が出るのかはよくわかりません(おそらく前者だと思います)。

なお、この点は、旧制度(「正当な理由」基準)の救済規定のQ&Aで、「救済規定の対象となる期間は、翻訳文の提出のための期間ですが、国内書面提出期間内に国内書面の提出を行っていない場合は、翻訳文の提出とともに国内書面の提出をすることができます」と書いてあるのですが、新制度(「故意でない」基準)になってからについて明記していないのでわかりにくいです。

なお、細かい話ですが、国際段階で34条補正がされていると、その翻訳文を国内処理基準時までに提出しなければならないところ、救済規定を使うと既に国内処理基準時は過ぎています(翻訳文特例期間は適用されないとのことです)ので、34条補正の翻訳文の提出機会がなくなります。この場合、34条補正がなかったものとみなされるだけなので、別途、国内手続として自発補正すれば足ります(特許庁確認済)。

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