ウクライナ問題でとんだ落とし穴(PCT-PPH)

米国の事務所から日本国内移行案件のPCT-PPHの依頼を受けました。国際調査機関の見解書では特許性ありの結果が出ていたので楽勝と引き受けたのですが、何と、国際調査機関がロシア特許庁だったので日本の特許庁ではPPHが受け付けてもらえないことが判明しました。今年の5月10日からの措置です(特許庁の関連ページ)。PCT出願番号がPCT/IB20xxだったので気が付きませんでしたがうっかりしていました。

米国等の出願人が自国の特許庁ではなく、敢えてWIPO国際事務局(IB)を受理官庁にして、国際調査機関としてロシア特許庁を指定してPCT出願するパターンがたまに見られます。ロシア特許庁の調査が雑で特許性ありの判定をもらいやすいからと聞いたことがあります。

見解書の結果はもう既に出ているわけですし、PCT-PPHを認めたからと言ってロシアを利するわけでもないのに、何でこうなるのかよくわかりませんが、文句を言ってもしょうがないですね。

追記:特許庁に問い合わせましたが、PCT-PPHは駄目でも、通常の外国関連出願として早期審査を請求することは可能とのことです。事情説明書に国際調査機関の見解書の話を書いておけば、参照はしてくれるものと思います。しかし、そうなるとPCT-PPHを受け付けないことの意味がますますわからなくなってしまいます。

追記^2:外国関連出願としての早期審査(ロシア特許庁のISAを提出)が認められて爆速で特許査定になりました。結局、PCT-PPHでロシア特許庁を指定できないことによるデメリットは全然ないと思います。条約なので、他国と歩調を合わせぜるを得ないということでしょうか?

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