特許の審査請求手続が取り下げできないのは法律に明記されています(特許法第48条の3第3項)ので周知かと思います。
ここで、審査請求料金が足りなかった場合には、補正指令が出て追加料金の支払を命じられます。補正に応じないと審査請求手続自体は却下になりますが、その時でも支払済みの料金は返納されないので注意が必要です(特許庁に確認済)。
ありがちなシナリオとしては、産業競争力強化法等による料金減額を想定して審査請求したのに減額が認められなかった場合です。この場合には、追加納付して審査請求を有効にするか、既納料金を無駄にして審査請求を却下させるしかありません。クライアントが「減額料金だったら審査請求してもいいけど、フルに払うのならしたくない」というポジションである場合には注意が必要です。
なお、出願自体を放棄すると(条件によって)既納の審査請求料の半額が返還されますが(特許法第195条第9項)、これはフルに支払った後の話であって、審査請求料が足りなかった場合には適用されません。
なお、間違えて審査請求料を払いすぎた場合には過納分は返還されます(経験済(恥))。