理研にも導入してほしい?:コピペルナー(特許取得)

小保方さんを初めとする学術論文のコピペ(正確に言えば盗用、剽窃)問題の発見には、多くの「専門家」の方がクラウドソーシング的に貢献されています。また、difff《デュフフ》といった、文字列比較ソフトウェアも有効に活用されています。

もう少しシステマティックにWeb上の情報から、論文やレポートの不正コピペを自動発見してくれるソフトウェアのひとつに「コピペルナー」という製品があります。このソフトは私も講師をやっている金沢工業大学の知的財産科学研究所センター長である杉光一成教授らが発明し、特許出願したアルゴリズムを採用しています。発明の名称は「引用判定支援装置および引用判定支援プログラム」です。出願人(権利者)は金沢工業大学です。メーカーのサイトでは「特許申請中(ママ)特開2009-205674」と書いてありますが、つい最近の3月3日に登録査定が出ています(特許公報はまだ発行されていないようです)。

公開公報の中味はもちろんIPDLでも見られますが、アスタミューゼという特許情報サービスをやっている会社のサイトから直リンで見られます(図を見るためには無料登録が必要)。公開公報の段階から補正がかかってちょっとだけ権利範囲が限定されています(最終的な限定の内容が今見たい方はIPDLの「審査情報照会」で手続補正書の中味を見ればわかります)。

ところで、「学術論文には著作権がないのでコピペはOK」なんてトンデモ説を述べている先生もいるようですが、引用すべき所は出典を明記して正しく引用、自分のアイデアにかかわるところは自分の表現でまとめるのが当たり前です。そもそも、コピペ問題は研究者の倫理にかかわる問題であって、著作権の話だけに限定して議論するとおかしなことになると思います。

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