#できるだけ簡潔にまとめようと思ったのですがやはり長くなってしまいました。お急ぎの方は下の「まとめのまとめ」を先に見てください。
本当に直前になってしまいましたが、前回に引き続き、いよいよ10/1から施行の著作権法改正の最重要ポイントとなる違法ダウンロード刑事罰化に関して実際の条文を見て検討していくことにしましょう(なお、他の改正事項、特にDVDリッピング違法化については後日書きます)。
違法ダウンロード刑事罰化に直接関係する著作権法の条文は今回新設された119条第3項です。
第30条第1項に定める私的使用の目的をもつて、有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害した者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
いきなり読んでもわかりにくいので構成要素に分解して見ていきましょう。法律の条文の多くは要件→効果、つまり、条件Aを満足するとBという効果になるというIF〜THEN文のような構造になっています。
先に、THEN節にあたる効果の方を見ていきましょう。119条3項で効果にあたるのは「2年以下の懲役 and/or 200万円以下の罰金」です。これは、通常の著作権侵害罪(10年以下の懲役 and/or 1000万円以下の罰金)よりもちょっと軽くなってます(とは言っても、一般市民にとっては警察に逮捕されること自身が社会的に大ダメージなので刑罰の重さはあんまり関係ないですよね)。
次に、ややこしいですが、要件(条件)の方をひとつひとつ見ていきましょう。
1. 第30条第1項に定める私的使用の目的をもって
そもそも私的使用目的でなければ(たとえば、他人に公開するためにダウンロードした場合など)は、普通の著作権侵害(刑事罰が重い方)として扱われます(ダウンロード違法化・刑事罰化を議論するまでもなく元から違法・刑事罰の対象)ので、この条文で扱うのは私的使用目的ダウンロードに限定すると言っています。
2. 有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)
ここはカッコ書きで「有償著作物等」の定義をしていますので先に説明しておきます。
2-a. 録音され、又は録画された著作物又は実演等
対象は音又は映像コンテンツに限られることを言ってます。プログラムの著作物や文書の著作物、マンガなどは対象外です。
2-b.(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)
パブリックドメインのものは対象にしないことを言っています。「有償」という縛りが入っているのでわざわざ言うまでもないと思うのですが、著作権切れの格安DVDなどパブリックドメインだけど有償というケースはないことはないので、それはダウンロード違法化の対象外になることを明記しています。
2-c. 有償で公衆に提供され、又は提示されているもの
普通に店で売っているCDやDVDのコンテンツが対象になることは明らかですが。結構グレーゾーンがありそうな要件です。文化庁Q&A(PDF)のQ6では、「ドラマ等のテレビ番組については、DVD として販売されていたり、オンデマンド放送のように有料でインターネット配信されていたりする作品の場合は、有償著作物等に当たりますが、単にテレビで放送されただけで、有償で提供・提示されていない番組は、有償著作物等には当たりません」と言っていますが、現実には判断は難しいでしょう。
2-d.(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)有償で売っている著作物であってもそもそも売ること自体が著作権を侵害している場合、要するに、海賊版(市販CDのそのままコピーしたものという意味ではなくて、たとえば、未発表ライブ音源を勝手にCD化したブートレッグ盤という意味です)の場合には対象外というということだと思います。もちろん、ブート盤を作ったこと自体は別途著作権侵害に問われます。
3. (有償著作物等の)著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信
言うまでもなく、アップロード行為が権利侵害行為であることがダウンロード行為が刑事罰の対象となる前提です。私信メールでの送信は自動公衆送信ではないのでこの条文の対象外であるのは前回書いたとおりです。
4. 自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)
前記の「自動公衆送信」はサーバが海外にあった場合でも刑事罰の対象にすると言っています。サーバが海外にあるとアップロード者を捜査しようと思っても実際には難しいわけですが、その場合に国内のダウンロード者だけを捜査できるよということです(まさに、これが刑事罰化の目的のひとつだと思っています)。
5.デジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行つて
「その事実を知りながら」つまり「違法にアップされたことを知りながら」ということです。これを実際どう判断するかは難しいところです。少なくとも警告があっても無視してダウンロードを続けていれば「その事実を知りながら」ということになるでしょう。文化庁Q&Aでは「警察は捜査権の濫用につながらないよう配慮するとともに、関係者である権利者団体は、仮に告訴を行うのであれば、事前に然るべき警告を行うなどの配慮が求められると考えられます」と他人事のような書き方をしています。ただし、現実には違法アップロードの場合等で警告なしにいきなり警察が家宅捜索に来て逮捕みたいなケースもあるようです。
6.著作権又は著作隣接権を侵害した
権利者が許諾したような場合は対象外にするということだと思います(市販CDやDVDの場合には現実的にあり得ないと思いますが)。
これに加えて、一昨年の改正(ダウンロード違法化)に関する30条1項3号
著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
も含めて、ダウンロード行為が刑事罰対象、違法だけど刑事罰対象でない、合法と分かれることになります。ややこしいですね。
まとめのまとめ
条件をできるだけ簡略化してまとめると以下のようになります。
違法アップ | デジタル方式の録音・録画 | 有償著作物 | 事実を知りながら | |
刑事罰対象 | ○ | ○ | ○ | ○ |
違法(刑事罰なし) | ○ | ○ | ー | ○ |
具体的なパターンで見ていきましょう。
- 市販のCDやDVDのコンテンツが違法にアップされたサイトからそれを知ってダウンロードする行為 → 刑事罰対象です(まさに今回の改正がメインターゲットにしている行為だと思われます)
- 市販のCDやDVDのコンテンツが違法にアップされた海外サイトからそれを知ってダウンロードする行為 → 刑事罰対象です(サーバが海外でも同上です)
- TV番組が違法にアップされたサイト(海外含む)からそれを知ってダウンロードする行為 → 違法ですが有償著作物ではないので刑事罰対象ではありません(ただし、そのTV番組がDVD化されている時には刑事罰の対象になります)
- マンガや書籍スキャンが違法にアップされたサイト(海外含む)からそれを知ってダウンロードする行為 → 録音・録画ではないので違法ではありません(倫理的な問題は別)
- YouTubeに権利者がアップした公式PVをツールを使ってダウンロードする行為 → 違法にアップされたコンテンツではないので違法ではありません(ただし、YouTubeの利用規約違反です)
なお、念のために書いておくと、上記はあくまで私的使用を前提にした話なので、ダウンロードしたコンテンツを他人に提供したりすると(DL違法化とは関係なしに)著作権侵害(故意ならば刑事罰対象)となります。
他にもどう扱われるのか知りたいパターンがありましたら、コメント欄に書いていただければ可能な限りお答えしたいと思います。
ピンバック: 著作権法改正(平成24年)を再確認する。 | ITnews online 日本語 Blog
先の回答にCDの原盤権について言及してますが、著作隣接権侵害ファイルも違法ダウンロードの対象となるのですか?
こんなサイトをみかけたので
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n116805
はじめて質問いたします。よろしくお願いします。
適法にアップされた著作物をダウンロードして私的に視聴する場合も違法なのでしょうか?
具体的には、
・ラジオ放送後1週間は同じ内容をラジオ局のサイトから無料でストリーミングで聞ける。(聞くだけで保存はできない)
・ただし、その番組は同サイト内でお金を払ってダウンロード(保存)できるようにもなっている。
・このストリーミング放送をあるアプリケーションソフトを用いてPC内に保存した場合は違法なのか?
ラジオ放送を録音して、私的利用目的でPCに取り込むことは違法ではないと思うのですが、これがインターネット配信となると違法になってしまうのでしょうか?
初めて投稿いたします。
違法にアップロードされている音声・動画のダウンロードについてではなく、
公式が配信しているものの私的複製の範囲についての質問なんですが、
音声を再生しているPCと別の機器(PCなど)をオーディオケーブルでつないで
「録音」する方法があると知ったのですが、
当然、違法にアップロードされた音声・動画を上記の方法で録音するのは刑罰の対象なのでしょうが、
・ラジオ局が自社のホームページで無料公開している(公開期間は基本1週間、毎週更新)
・音源は、そのラジオ局のある地域のAM地上波やradikoにて放送されたもの
・本放送の2〜3日後にアップロードされる
・CMや番組OP・EDで音楽がかかる
・地上波放送の1年後くらいにCDとして発売される(この場合はCM&音楽カット)
・音声データはflv形式でキャッシュに保存される
・ラジオ局のホームページに「掲載されている画像等、全内容の無断転載、加工をお断りいたします。」という文言はある
以上のようなインターネットラジオ番組を
上記の方法で録音する行為は私的複製の範囲として認められるのでしょうか。
AMラジオ放送や、radikoでは個人使用目的の複製は認められていると思うので、
同じ音源で公式に配信されているものであれば、私的利用においては合法だと思うのですが、どうでしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
栗原先生
回答いただきましてありがとうございます。
信頼でそうな情報がなかなか見つけられなかったので助かりました。
参考にさせていただきます。
栗原先生 こんばんわ。
>明らかに違法アップ
されている動画が今もたくさんあって、それをブログに貼付けていらっしゃる方も
たくさんおります。いつも遊びに行く数カ所のブログでも貼付けている方がいて、「はたして 見て良いのか悪いのか・・」と1日からは迷っておりました。
もう動画を見るのは止めようかと思います。
これからは読書にしようかな。
大変お忙しい所、丁寧にお答えいただきありがとうございました。
感謝しております。ブログを持っている友人にも伝えたいと思います。
ありがとうございました。
ピンバック: Googleリーダーから直接『Evernote』などに記事を共有する方法 | 最近のニュースメモ
>harumaさん
ご質問のパターンのコンテンツをDLするという前提で回答します(前述の通り、視聴するだけなら違法ではありません(保証はできませんが))
>有名アーティストの曲を「歌ってみたり」「演奏してみた」ものを御本人が投稿したもの
JASRAC管理の曲を、自分で演奏したり、歌った動画をニコ動にアップするのはJASRACとニコ動の契約により違法ではありません。ゆえに、それをDLする行為は私的使用目的であれば違法ではない(当然刑事罰対象ではない)と考えます。なお、カラオケ音源等CDとして売っている音源を使った場合は、レコード会社が許諾している場合以外はアップは違法で結果的にDLも刑事罰対象です。
また、ニコ動の利用規約ではDLが明示的に許諾されている場合以外はDL禁止なので、ニコ動の利用規約違反です(これは以下のすべてのパターンに共通)
>ボーカロイドのオリジナル曲を素人さんの歌い手さんが「歌ってみた」ものをご本人が投稿したもの
これは作者(著作権者)の考え方次第です。通常は「歌ってみた」禁止なんて言うボカロPはいないと思います。なお、オリジナル曲がJASRAC登録されている場合は一番目の質問と同じです。
>CDデビューされている歌い手さんがCD収録曲を「歌ってみた」ものを御自身で投稿されたもの
これはCDの原盤権を誰が持っているかがポイントです。自費出版でもない限り、原盤権はレコ会社等が持ってますので原盤権者の許諾がなければアップは違法で、結果的にDLも刑事罰対象となります。ただし、常識的に考えてCDデビューしている人がレコ会社無視してアップすることは想定しがたいので、アップしているということは原盤権者の許諾の元に合法的にやっていると思ってよいかと思います。
はじめまして、記事を読ませていただき、大変勉強になりました。
私も質問させていただきたいのですが
ニコニコ動画の「歌ってみた」カテゴリの中で、今回の違法ダウンロード刑事罰化に引っかかるのは、どんなパターンがあるとお考えでしょうか?
有名アーティストの曲を「歌ってみたり」「演奏してみた」ものを御本人が投稿したもの
ボーカロイドのオリジナル曲を素人さんの歌い手さんが「歌ってみた」ものをご本人が投稿したもの
CDデビューされている歌い手さんがCD収録曲を「歌ってみた」ものを御自身で投稿されたもの
などについてなのですが
ニコニコ動画は権利団体と楽曲使用の包括契約がされているとの事と
御本人自身によるアップロードということで
違法アップロードではない=違法ダウンロードにあたらない
という考え方で大丈夫でしょうか?
他にもアウトになりそうなパターンがあったら、御教授いただけると助かります。
よろしくお願いいたします。
>くっきーさん
動画の音声部分だけ抜き出してDLするのも録音に相当すると考えられますので、違法アップされたことを知ってDLすれば違法(かつ有償著作物であれば刑事罰対象)ということになるでしょう
>北緯41度さん
警察がいわゆるサイバーパトロールをして違法アップ行為を発見すると権利者に連絡するというパターンはあるようですね。違法DLについては外部から見ただけではわからないので、前も書いたように、現実的に検挙される可能性があるのは違法アップサイトが捜査されて押収されたログからDL者特定、および、別件(典型的にはP2P等による違法アップ)で押収されたPC3から違法DLと疑われるファイルが見つかってみたいな形になるかと思います。
>sunanezumiさん
視聴するだけなら100%合法なのか保証せよと言われると「保証はできません」が、お答えになります。現実的には、YouTubeやニコ動等、権利者と正規の契約を結んで合法的配信を目指すサイトを視聴するだけで警察の捜査対象になることはないと思います(ここでも、保証せよと言われれば「保証はできません」がお答えです)。
また、一般的に動画を貼るのは複製が伴わないので録音・録画ではなく、刑事罰の対象にはならないはずですが、明らかに違法アップされたと思われる動画を貼るのは倫理的な観点から避けておくべきと思います。
始めまして
いきなりなのですが、YOUTUBE上の動画からMP3に変換してそのMP3ファイルをダウンロードするのは違法で、処罰の対象になるのでしょうか?
それができるサイトでは違法ではないと書いてありましたがもし、これで処罰となると、非常に多くの処罰者が出ると思うのですが、、、どうなのでしょうか?
すみませんが、もう一つの質問を追加させていただきます。
親告罪なので権利者からの告訴がない限り警察は動かないはずですが、警察が独自に情報を収集して権利者に提供するという噂もよく聞いていますが、その辺についてはいかがですか?それに権利者が告訴するためにどうやって立証するんでしょうか?
また、捜査令状がなくても、個人に対してパソコンなど電子機器の情報開示を強制することも考えられるでしょうか?その辺の法律はよくわからないし、デマも多いようで、何かコメントをいただければとてもありがたいです。
栗原先生
単刀直入に伺いします。
番組がテレビで放送されてからDVDの発売までの間、動画サイトで見るのも駄目ですか?
こんばんわ 初めまして。
見るだけならyoutubeもニコ動もとりあえず 良い?と言うことなのでしょうか。
あちこちの掲示板で 司法でさばかれるのを一度確かめてから また見ようと
言う声もチラホラ上がっています。先生は 見ても良いとお考えでしょうか?
それともしばらくは止めた方が良いですか?
ダウンロードはしたことはありませんが 動画などをいつも見ていました。
他にはブログなどで 動画のURLをボタン1つではれるような機能とか 動画を直接埋め込める機能もついているのですが それも違法なのでしょうか?
質問が重複しているかもしれないのですが お答えいただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
>スタプラさん
ニコ動等にアップする動画で使う音楽は著作物のアップロードの話になりますので、私的使用目的複製もDL刑事罰化も関係なくて、未許諾なら元から違法です(現状は大目に見られているだけ)。なお、CD音源の場合は、CD会社が特別に許可してくれたものならOKです(参考エントリー:http://www.techvisor.jp/blog/archives/1730) 他人が作った音源はその人の意思次第です(通常はひとこと断れば済むはずです)。
トレントの途中までDLの件は実際に裁判にならないとわかりませんが、P2Pの場合はDLと同時にULも行なわれますので、DL刑事罰化は関係なく、元から違法(故意なら刑事罰)です。
>VSさん
司法は行政とは独立してますから、裁判官は文化庁の意見を参考にすることはあっても必ずしもそれに従う義務はありません。ゆえに、裁判においてプログレッシブ・ダウンロードはキャッシュではなく複製に相当する判断がされる可能性は排除できないということです。こればかりは実際に裁判にならないとわかりません。
失礼ながら追記ですが、前に壇弁護士が
http://danblog.cocolog-nifty.com/index/2012/07/post-f7a7.html
にて
youtube、ニコニコ動画などの視聴はプログレッシブダウンロードであり、それが本当にキャッシュだから罪に問われないとはいえない可能性があるといっていますが、これについて栗山先生はどうお考えでしょうか。
kurikiyo 様
度重なる質問に対し、懇切丁寧なご回答を頂き、
誠に有り難うございました。
始めました栗原先生
今回の件についてgoogleで検索していて見つけたものについて質問があります。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120930/bsj1209301245002-n1.htm
ここには
「ダウンロードせずにユーチューブなどで動画を見ただけだが、一時ファイル(キャッシュ)がパソコンに残っていると思う」
このキャッシュについて同課は処罰対象にならないと判断している。ただ、これらの判断が司法で覆る可能性もあり、同課は「処罰対象にならなくとも、違法ファイルの利用自体が好ましくない」としている。
と書かれているのですが、これはどういうことなのかイマイチ自分に理解ができないのですが、よろしければ回答お願いできないでしょうか。
お忙しい中失礼いたします。いくつか質問がございます。
私は、ニコニコ動画において二次創作動画を作っているのですが、
二次創作動画内で使用するBGMなどは、他の動画から貸していただいた音源又は自分で購入したCDの音源を使うという事がよくあるのです。
音楽、動画の私的利用目的の複製が違法となってしまうなら、
このように音源を使用しての二次創作動画はもはや作ることができないのでしょうか?
もう一つ質問がございます。
俗にいうトレントファイルがPCにあったとします。このファイルのダウンロードは80%完了していたとします。
今回の改正案が施行されると、残りの20%をダウンロードすることは違法になってしまうのでしょうか?
これまでもそうでしたが、今後ネットユーザーの方々による反対運動が展開されるのではと予想しております。今回の改正案が国民の働きにより、さらに慎重な審議を通したものに生まれ変わることは有り得るでしょうか?
長々と書き連ねてしまいましたが、ご回答いただければ幸いです。
>bmdさん
ストリーミングをPC側でトラップしてDLしてる場合には外から見ただけではDLか視聴かわかりません。
現実的に違法DLで検挙されるのは1)違法配信サイトのサーバが押収されてその会員リストやログから芋ずる式にDLユーザーが捜査対象に…2)別件(典型的には違法アップロード)の疑いでPCが押収されてHDDの中身を調べられて…というパターンかと思います。
>momochiさん
Pinterestはサムネールだけコピーしているのではないでしょうか(これも厳密に言えば公衆送信権侵害ですけど米国はフェアユースの抗弁が効きますので刑事罰を問われることはないんじゃないかと思います。)
もし、動画を丸ごと複製する方式だとするならば、これは実質的にアップロード行為なので、DL違法化とは関係なしに昔から違法ですし、故意なら刑事罰対象です。
単刀直入にお伺いします。
違法な動画は、ストリーミングはOKでダウンロードがアウトということですが、一個人がストリーミングで見ている、ダウンロードして見ているということは相手にわかるものなのでしょうか?
また、著作権利者が一個人の違法ダウンロードを見つけるということは現実的に考えにくいのですがいかがでしょうか?
kurikiyo 様
お忙しい中、早速のご回答有り難うございました。
Pinterestにつきましては、各々のボードに貼付けられてる画像の
元画像が削除されても、各ボードの画像はそのまま表示されるため、
元画像がPinterestのサーバーにダウンロードされ、各ボードに
貼付けられているのではないかと考えました。
動画の場合も、同様の仕組みになっているとしましたら、ダウンロード
した上で、公開している事になるため、質問させて頂きました。
実際にダウンロードされているとした場合、Pinterestのサーバー自体は、
海外(アメリカ)にあり、そのサーバーを使って公開している事に
なりますが、ユーザーが日本国内で操作していれば、やはり違法と
いう事になるのでしょうか。
>Momochi さん
1.YouTube動画の貼り付け(埋め込み)は複製が発生していないのでDL刑事罰化(および違法化)の対象ではないと思います。ただし、大がかりな動画リンク集的なものをやるとアップロードの教唆行為に相当すると考える人もいるようです。
2.Pinterestについては、例を見た限りでは動画再生時はYouTubeの埋め込みを再生するようになっており、別途複製が発生しているようには見えないので1.と同様かと思います。もし他に複製が発生するような貼り付け方があるのだとすれば、条件によってはDL刑事罰化の対象になるでしょう。
栗原 様
初めまして。今回の件で、検索しておりましたところ、こちらのサイトが
目に入りました。
唐突で申し訳ございませんが、2点質問させて頂きたく存じます。
ご多忙の折、お手数をお掛けし申し訳ございませんが、ご教示頂ければ
幸いです。
1. YouTube等で公開されている動画が、違法にアップロードされた物で
あった場合、自分自身のブログ等に、対象の動画を貼付けるという行為も
違法行為となるのでしょうか。(見付けた海外のアーティストの動画を、
特に確認する事もなく、自分のブログに貼付ける事がございます。)
2. Pinterestという画像共有サイトで、自分自身のボードに、上記と同様の
動画を貼付ける行為も違法となりますでしょうか。(Pinterestの仕組み
を鑑みますと、画像や動画が掲載されているサイトから、対象物を
ダウンロードして、Pinterestのサーバー上に割り当てられている
各ユーザーのボードに貼付ける様な形になっているのではないかと
思われます。)
ご参考までに
Pinterestとは:
http://pinterest-guide.com/pinterest%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F
Pinterest上のミュージック・ビデオのボード例:
http://pinterest.com/search/boards/?q=music+video
以上、勝手なお願いで申し訳ございませんが、宜しくお願い申し上げます。
まとめてお答えします
ikuさん>
ゲーム(のほとんど)は映画の著作物とされていますのでゲームのプレイ動画のDLは違法DLの対象になるでしょう。ゲームソフトそのもののDLは微妙なところです(当然、権利者側は違法DLの対象であると主張するでしょう)。
また、DLしたゲームソフトのインストールが私的使用に当たるかも微妙なところで、権利者側は利用規約違反の複製なので(違法DLの話とは別に)複製権侵害であると主張するでしょう。
>CyberDevilさん
DL違法化・刑事罰化はDLの行為に対するものなので、施行前の行為によってできたファイルによって責任を追及されることはありません。ただし、DL違法化(刑事罰なし)は今年の1月1日の施行なので、2012/1/1〜2012/9/30の違法DL行為については民事的責任が追求され得ます。
>Ivarn さん
海外で違法にアップされた動画を日本国民が海外で(それを知りながら)DLしたケースですね。これは、たぶん、119条3項と刑法3条により刑事的責任を追及されると思います(現時点での私見)。
なお、海外で合法にアップ(日本でアップされたとするならば違法)な著作物を日本国民が海外でDLするのは合法だと思います(現時点での私見)。119条3項の「6.著作権又は著作隣接権を侵害した」の要件を満足していないからです。
>kurikiyoさま
ご回答ありがとうございます。
私の質問がまずかったのですが,国内における状況の変化については同様の認識(海外サイト運営者等に日本国内法は及ばない,しかし日本国民が国内でDLするのは違法,処罰対象)です。
刑法の(国民の)国外犯規定に倣うとすると,たとえば日本国民が海外において現地で合法のストリーミングもDLもできてしまうようなサービス,たとえばオランダやスイスでは合理的ではないというような理由でDLの違法化,刑罰化が止まったようなのですが,そのような国において日本の楽曲等が“違法”配信されていた場合に,それを現地でDLした場合に対象となるか?という認識をお伺いしたく質問いたしました。(もちろん,現地で合法のサービスであれば利用者にはそれが違法コンテンツという認識もないでしょうから,現実的には情を知ってそれを行うことはほとんどないのではないかと思いますが。)
少々分からないことがあります。
テレビ番組の録画はアウトですか?
また、2010年からダウンロードした人が対象と聞きましたが、間違いですか?
ご回答宜しくお願い致します。
すみません文字化けしたのでもう一度書き込ませてもらいます。
お手数ですが前回のコメントは削除してください申し訳ありませんでした。
質問があります。お答えいただければ幸いです。
正直言うと私は違法ダウンロードを何回かしたことがあります。
今のそのファイルを持っています。今はそういった好意はしておりません。
その上で質問ですが以下のケースで逮捕されますか?。
(1)例えば9月30日付の違法DLしたファイルを保存している。
(2)今も(1)をアイポッド等に取り込んで聞いている。
(3)外付けのHDD等に(1)を保存している。
ゲームは録音、録画に含まれるのでしょうか?
まとめてお答えします(あくまで私見であり保証ではありません)
>谷さん
Winny最高裁判決の結果を見る限り 1)合法的な使い方もできるツールである、2)制作者が犯罪行為を助長したりしていない という条件であればツールの制作者が刑事的責任を負うことはないと思います(民事については不明)。(もちろん、ツールを使うユーザーが違法な使い方をすればユーザーは民事・刑事上の責任を負います)
また、ストリーミングにはDRMかかっているものがあると思いますが、これを回避するツールを提供すると提供者側も刑事的責任を負います(著作権法120条の2)
>ROIさん
コンテンツの視聴は原則的に著作権法で規制されることはありません(前回のエントリーを見てください)。また、P2Pが違法なのではなく、P2Pを使って権利者の許諾なく著作物をアップ・ダウンするのが違法です。Linuxのディストリは権利者がP2Pの配布を許諾しているので問題ありません。
>Ivarnさん
仮に海外のアップロード者に刑事的責任があるとしても実際に日本の警察が海外で捜査するのは困難です(さらにアップロード者が海外法人等日本国民でない場合には刑事的責任も問いにくいです)。このような場合に日本でダウンロード者の方を警察権力で押さえられるのが今回の改正の意味だと思っています。
著作権法については刑法施行法第二十七条により“刑法第三条ノ例ニ従フ”という規定があり,刑法第三条は国民の国外犯についての規定であり,これを素人目に読むと(刑罰化されている違法行為については?)日本国民ならば海外においても,たとえ現地法で合法のサービスであっても日本に著作権者のいる“国内法で違法となる”コンテンツをDLすると違法行為として起訴,刑罰の対象となるようにも考えられるのですが,いかがなものでしょうか?
確認なのですが…
ネット(海外の動画サイトなど)でアニメやドラマがアップされているのを見るのは違法なのですか?
また、P2Pは違法になるのですよね。
そしたら、リナックスのものがDLできなくないですかね?
YouTubeやニコニコ動画の動画ダウンロード支援ツールや、それにまつわるあれこれについて質問があります。
1.上記ウェブサイトで公開されている著作権的に合法な物をダウンロードすることを目的として作成・配布されているツールが、非合法な物もダウンロード可能となっている場合、作成・配布者は何らかの法律で罰せられるのでしょうか。この点において、通常のウェブブラウザとの違いはキャッシュの保存先が隠れているかどうか、および動画ファイルをファイル名付きで任意の場所に保存できるかどうかぐらいしか差が無いわけですが、これが大きな差であると法的に認識されるのでしょうか。
2.違法物をダウンロードするためには、まず最初に違法物がアップロードされ、それが不特定多数の人が閲覧できる状態になっていなければならないわけですが、現行のウェブブラウザは全てファイルのアップロードが可能な機能を備えているわけですが、違法な物をアップロードするツールとして罰せられたりはしないのでしょうか。
3.違法な物をアップロードできるウェブブラウザがセーフで、ダウンロードして保存するツールがアウトであるのはあまりにもアンフェアな気がしますが、その辺どうお考えでしょうか。