【商標小ネタ】AKB48ブランドの「ぞうげ」は発売されるのか

去年の10月に津田大介さんや牧村憲一さんも参加されている「未来型音楽レーベル実践講座」で使ったプレゼン資料「商標制度の基本と音楽ビジネスでの活用」をSlideShareにアップしました。

普通にアーティストが自分の名前でCDを出したりライブをやる分には商標登録をする必要はありません(そもそも、そのようなアーティスト名の使用は商標的使用にはあたりません)。しかし、アーティスト名を一種のブランドとしてキャラクターグッズや関連サービスのビジネスを展開したい場合には、商標登録をしておいた方が良いケースがでてきます。実際、キャラクタービジネスに力を入れていると思われるK-POP勢では、「少女時代」、「東方神起」などが既に商標登録されています(なぜかKARAは登録されてませんが)。日本でも「モーニング娘。」などが登録されていますし、当然予測されるように「AKB48」も登録されています(念のため書いておくとこれらはすべて所属事務所による正規の登録です)。

ここで、基本に立ち返ってお話しすると、商標権は常に商品やサービスとの関連で発生しますので、出願の際にはどういう商品やサービスに使うかを指定します。これを指定商品または指定役務(サービスのこと)と呼びます。日本の商標制度では、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」について商標登録を受けられると規定されています(商標法3条1項)ので建前上は使う意思のない商品を指定して出願してはいけないのですが、実際にはそれをチェックされるわけではないので、指定商品・役務を念のためにちょっと多めに指定しておくのはよくあることです(ただし、登録してから3年以上使用していないと他者から不使用取消し審判を請求されて登録が取り消されてしまう可能性あり)。

さて、ここで前述のスライドに話を戻しますが、p7に例として挙げた「AKB48」の商標登録(5036134号)が半端ない状態になっています。500個以上の商品・役務が指定されており、「ちょっと多めに指定」のレベルを越えてます。キャラクターグッズのビジネスは何でもありなので商品数が増えるのはしょうがないのですが、「トレーディングカード」、「うちわ」あたりはまあ当然として「べっこう」、「ぞうげ」、「酵母」、「遺体覆い」(!?)とかまで指定されているのが訳分かりません。AKB48ブランドの象牙を販売する計画があるのでしょうか(笑)。まあたぶん念のためにリストに載っている商品を手当たり次第に指定してみたということなのうでしょう(日本の制度ですと商品の区分(カテゴリー)が増えると料金が増えますが、同じ区分の中で指定商品数を増やす分には(特許庁)の料金は変わりませんのでどうせ同じ料金なら目一杯指定してしまえという発想です)。まあ、違法ではないですが、ちょっと何だかなーという感じです。

しかし、特許庁も使う当てのない商品を手当り次第に指定されるのは困るので現在では運用を変えており、あまりに多くの商品が指定されている場合には出願人の使用意思を確認するようになりました。具体的には事業計画書等の提出が必要になります。ということで、このAKB48商標のようなスタイルの出願は現在ではできなくなっています(もちろん、AKB48ブランドの「ぞうげ」等々を販売する事業計画が本当にあるならば話は別です)。

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1 Response to 【商標小ネタ】AKB48ブランドの「ぞうげ」は発売されるのか

  1. ピンバック: 「AKB48」の商標登録(5036134号)が半端 ない状態になっています。500個以上の商品・役務が指定されており、「 ちょっと多めに指定」のレベルを越えてます。キャラクターグッズのビジネス

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