盛り、しょっぱさ、油の量とすべてにおいてエクストリームなB級グルメの王者、ラーメン二郎(私も大好きですが最近は健康を考えてちょっと控え気味)ですが、のれん分けでちょっと一悶着あったようです(参照記事(ZAKZAK))。
ラーメン二郎は三田の慶応大学近くが本店なのですが、そこで修行をした店員が各地でのれん分けをしてもらって営業しています。で、のれん分け店では本店で修行を積んだ本人が営業時間中に常駐していることが「掟」になっているそうです(一般に他人任せになったとたんに味が落ちたラーメン屋はいっぱいありますので、これはうなずけます)。二郎本店からのれん分けされた一店がこの「掟」を守らないで勝手に支店を展開してそっちにかかりっきりになっていたため、破門されて「ラーメンこじろう」と名称を変えて営業を継続しているというお話です。
ところが、実は「ラーメン二郎」は「ラーメンを主とする飲食物の提供」を指定役務として商標登録されています(権利者は三田本店店長)(第4652738号)。商標権は類似範囲にも及びますので、厳密に言うと「ラーメンこじろう」でもアウトな可能性はあります(まあ、そういう訴訟問題にはならないでしょうが)。
さらに、このラーメン二郎商標の登録にも裏話があって、10年ほど前に、三田本店店長がこの手の話に無頓着なのをいいことに関係ないラーメン店の人が勝手に商標出願してしまい、二郎ファンの慶応大出身法曹関係者が動いて、商標権を三田店店長に移転させたようです(参照ブログ記事)。
ついでに書いておくと、二郎と並ぶB級グルメの雄「ホワイト餃子」ですが、こちらも野田本店の会社名義で商標登録されております(第3033471号)。ホワイト餃子も各地にのれん分け店があります。私がよく行く巣鴨店は「ファイト餃子」というパチモンみたいな名前ですがインチキではなく、ちゃんと本店と技術提携した由緒正しい店です(味も本店に似ておいしいです)。聞いた話だと、餃子以外にラーメンとかチャーハンとかを出すとホワイト餃子の名前は使えないという「掟」があるので、こういう線で落ち着かせたらしいです。
将来的にのれん分けを考えている飲食店でのれん分け店に何らかの「掟」を守らせたい方は商標登録出願を検討されると良いと思います(総額10万円もかかりません)。
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