昨日のエントリーでHPとSAPが一緒になった場合の事業ポートフォリオについて考えてみましたが、そのついでに、もしCiscoとDellとEMCが一緒になったらどうなるかを考えてみようと思います。あくまでも「もしそうなったら」の話であり「本当にそうなるのか」については考えません。
ビジネス領域 | HP + SAP | Oracle | IBM | Cisco + Dell + EMC |
エンタープライズアプリケーション | ◎ | ◎ | – | – |
ミドルウェア | △ | ◎ | ◎ | ○ |
コラボレーションアプリケーション | △ | ○ | ◎ | △ |
仮想化インフラ | ○ | ○ | ○ | ◎ |
DBMS | △ | ◎ | ○ | ○ |
BI | ◎ | ◎ | ◎ | ○ |
サービス | ◎ | ○ | ◎ | △ |
クライアント機器 | ◎ | – | △ | ◎ |
独自サーバ | ○ | ○ | ◎ | – |
IAサーバ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
ストレージ | ◎ | △ | ○ | ◎+ |
ネットワーク機器 | ◎ | – | △ | ◎+ |
この架空新会社の強力な武器はVMwareの資産だと思うので「仮想化インフラ」の枠を新たに作ってみました。インフラ系においてはかなり強力なポートフォリオになりますね。
実際にこのような構図になるかどうかは別として、ITベンダーの集約が進んで行くことはエンタープライズITの成熟化に伴う必然的な流れです。では、小規模ベンダーはなくなるのかというとそんなことはなくて、破壊的イノベーション的な領域や特定市場向けで真価を発揮することになるでしょう。
ということで、規模の経済と垂直統合で価値を提供する少数のメガベンダーとスピードとイノベーションで価値を提供する多数の小規模ベンダーの二局構造が、今後はさらにはっきりしてくるのではないかと思います。成功した小規模ベンダーはメガベンダーに買収されると共にまた新たな小規模ベンダーが登場して、市場を活性化していくでしょう。一番苦しいのは規模もスピードも中途半端な企業ということになります。まあ、これは別にITに限った話ではなく、ほぼすべての産業に当てはまることだと思いますが。