もしHPがSAPと合併したら

PulicKeyの正月特集エントリー経由で知ったSan Jose Mercury Newsの2011年の予測記事”O’Brien: 11 Predictions for 2011, including Google buys Twitter, Yahoo axes Bartz and Facebook hits the billion mark“において「HPがSAPを買収する」という予測がされています。

HPがSAPと合併するか、そもそもそうい動きが進行しているかどうかは私にはわかりません(もし、内部情報を知っていたらブログには書きません(笑))。あくまでももし合併したらどうなるかという観点でちょっと検討してみたいと思います。

HP+SAPの新会社、Oracle、IBMの3社を事業ポートフォリオという点から評価してみると次の表のような感じかなと思います。

ビジネス領域HP+SAPOracleIBMコメント
エンタープライズアプリケーション
ミドルウェア
コラボレーションアプリケーション
DBMS
BI
サービス日本だとわかりにくいけどEDSは強力です
クライアント機器
独自サーバIBM System zは何だかんだ言ってドル箱
IAサーバ
ストレージ
ネットワーク機器

評価の点数については賛否両論あるかと思いますが、HP+SAPが結構漏れのないポートフォリオとなることがわかります(DBMS、ミドルウェア、コラボレーション分野がちょっと弱いですがMicrosoftとの戦略的提携でカバーできるんじゃないか)と思います。

もちろん、カバー領域が広ければ絶対良いかというとそういうわけでもなくて、たとえば、エンタープライズ・アプリケーション製品を売っていなければマルチベンダーのシステム統合で中立的なソリューションを求める顧客にアピールできるという逆のメリットもあるでしょう。しかし、ITの基盤テクノロジーの成熟化により、水平分業から垂直統合へのシフトが見られる中で、事業ポートフォリオの漏れをなくすのはますます重要になってくると思われます。

ところで、こういう水平分業から垂直統合へ向う動きを、昔のメインフレーム時代の回帰にたとえることがありますが、ちょっと違うと思います。昔のメインフレームの世界は、プロセッサからハードからソフトからサービスまで特定ベンダー独自仕様のクローズな世界ですが、現在は、たとえば、OracleのDBMSはHPのサーバやIBMのサーバ/統合ミドル上でも動いたりするわけであって、あくまでも基本はオープンな世界の中で垂直統合の価値を提供するというビジネス戦略が中心になっていくでしょう。

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