【小ネタ】誰もが見たことがあるアレの立体商標について

twitterで商標速報botをフォローしています。特許庁の商標公開公報をひたすらフィードするだけのボットで、おもしろいというだけでなく、クライアントの商品名に似た勝手出願が行なわれていないかの監視もできるという点で実務上の価値もあります。中の人に感謝したいです。

さて、この商標速報botのツイートから(弊所のクライアント等とは全然関係ないですが)ちょっと興味深い出願を見つけました。商願2014-45393、あの誰もが目にしたことがあるものの立体商標です。

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出願人はクイックロック・コーポレーション(米国企業)、指定商品は「第20類 袋や包装をとじるためのプラスチック製クリップ,包装用プラスチック製袋口止め具,袋用プラスチック製口止具」です。

クイックロック・コーポレーションの日本法人のサイトを見ると、これの正式名称が「クロージャー」であることがわかりました。しかも、1952年からある長い歴史を持つ商品のようです。

以前にホンダスーパーカブの立体商標の記事で書いたように、商品の形状そのままを立体商標として登録するのはハードルが高く、使用による識別性(セカンダリーミーニング)があることを立証しなければいけないのですが、このケースはどうなるのでしょうね?

なお、商標が識別性を獲得しているかどうかは需要者の視点で判断されます。この商品について言えば需要者は一般消費者ではなく、パン等のメーカー、あるいは、流通業者(「クロージャー」を買っている人)になりますので、一般消費者として「特定のメーカーの商品の形状と認識していない」と思っていてもそれはあまり関係ないことになります。

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