だいぶ前このブログで、裁断せずに本をスキャンできる非破壊型スキャナーについて書きました(「日本の著作権制度は非破壊型スキャナーに対応できるのか」)。その記事中で、昨年のCESで発表された価格189ドルの非破壊型スキャナーBOOK SAVER(参照記事)について触れました。本製品、メーカーであるION Audio社のサイトではずっと今春に発売予定となっており個人的にも楽しみにしていたのですが、どうやら「品質上の問題」によりキャンセルされたようです(参考掲示板情報(英文))。ION Audio社のサイトからも製品情報は既に削除されています。
BOOK SAVERは本を開いて台に置きそれをオーバーヘッドカメラで撮影する方式です。それほどハイテクが必要なメカとも思えないのですが、やはり189ドルの価格ではカメラのクオリティ的に限界があったのでしょうか?
実は日本でもSimply Scanという同様の製品はあった(現在は販売終了)のですが、やはりオーバーヘッドカメラで撮影するタイプでは画像品質的に限界があり書籍の自炊には厳しいのかもしれません(スタパ斉藤氏による記事)。
もう少し高価になってもよいので、日本のデジカメメーカーの技術と画像補整技術を駆使して高品質の非破壊型ブックスキャナーをどこかが作ってくれないものかと思います。
私の蔵書の中でも自炊して読みたい、しかし、裁断するのはイヤであるという本がいっぱいありますので、個人で買える価格帯の非破壊型ブックスキャナーは大歓迎です。「自分の本が裁断されるのを見るのは辛い」という作家の方もこれなら安心でしょうw。
まあもちろん一悶着はあるでしょうが(現行の著作権法上違法という話ではなく、スキャンした元の本の流通により権利者が適切な報酬を得られなくなるという点での一悶着)、技術的に実現可能で、違法ではなく、消費者の利便性を高めるテクノロジー製品を作らない理由はありません。制度的な問題解決は並行的に考えればよい話です。
スタンド型スキャナですが、まだ売ってますよ
サンワサプライ(形状からすると、Simply ScanのOEMらしい)
http://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/400-CMS011
スリーアールシステム
http://www.3rrr.co.jp/2011/03/3r-ssa500.html
用途が違うと思われる業務用
http://www.hitachi-omron-ts.co.jp/products/gazou/002.html
これがベストでしょうけど、個人では無理
http://www.system-p.com/system/book2net.html