【勝手にお知らせ】「売れない学術書の著者が集まりグーグル電子図書館への対応を議論する会」

5月19日に情報通信政策フォーラム(ICPF)主催で首記研究セミナーが開催されます。私は出席予定です(売れないビジネス書の翻訳者(著作権者)と言えなくもないので)。

グーグルの電子図書館構想に対して米国の著者および出版社が起こしていた集団訴訟は和解に達しました。これに伴って日本国内でも、各出版社から「著作権に関する重要なお知らせをさせていただきます」といった表題で著者に通知が届き始めました。
国内ではこれについて様々な意見が表明されています。しかし「日本の出版物にまで影響が出るのはおかしい」といったベルヌ条約の原則である内国民待遇を理解しない発言や、「グーグルはきちんと説明もせず横暴だ」といった感情論(本当は和解管理者のRust Consulting, Incに.説明責任があります)も多く、和解の意義と問題点についての理解が進んでいるとはいえません。4月15日には日本文芸家協会が抗議声明を発表しましたが、すべての著者、とりわけ売れない学術書の著者の意見を代表しているものではありません。
そこでICPFでは、主にそんな売れない学術書の著者を対象に、事実を理解した上で対応について議論する研究セミナーを開催することにしました。米国弁護士の城所岩生さんをお招きし解説していただいた上で、参加者が気楽に意見を交わす会としたいと思います。どうぞ奮ってご参加ください。

日時:5月19日(火曜日)午後6時30分?8時30分
講師:城所岩生氏(米国弁護士)
モデレータ:山田肇(東洋大学教授、ICPF副理事長)
場所:東洋大学白山校舎 5B11教室(5号館地下1階)
資料代:1000円

お申し込み方法はICPFのサイトで見てください(ここにメアドを載せてボットに見つかるのも悪いので)。定員数が少ないので参加希望の方は急いだ方がよいかもしれません。

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【お知らせ】日経BPのMDMセミナーで講演します(6/2)

6月2日に行なわれる日経BP社主催「マスターデータマネジメント・カンファレンス2009会社を強くする新データ管理手法?戦略的情報活用セミナー?」(長い)で講演します。場所は青山ダイヤモンドホール。入場無料です。詳細はこちら

MDM(マスターデータマネジメント)とは企業内に存在する多様なマスターデータベースの中身の標準化や同期を行なう取り組みやテクノロジーのことです。地味ではありますが企業ITの最重要部分です。はるか昔から企業が取り組んできたにもかけわらず、なかなか決定的な解決策がない「永遠の課題」的なトピックでもあります。

およそ30年前、私が日本IBMの新人SEとして研修を受けていた時にも、「企業内のデータの標準化を行なうためにデータ・ディクショナリを構築しましょう」みたいなことを習ったのを覚えています。当時は、「なんでそんなものが必要なの?そもそもデータを標準化してそれに基づいて設計するのがデータベースではないの?」と大学の情報工学の授業レベルの知識で考えていたものでした。

当然ながら、現実の情報システムでは、完全な標準化を行なってそれに基づいてすべてのシステムを作るというような理想は実現不可能です。かといって、各アプリケーションが勝手にやっていたのではカオスになるだけです。この理想とカオスの間の現実的な解決策を見つけることこそが、MDM(というよりもあらゆるシステム統合プロジェクトの)ポイントです。適切な妥協点を見つける上での勘所についてお話しする予定です。

他には、IBM、インフォテリア、オラクル、P&G、大日本印刷の講演者が話されます。私としては、P&Gというグローバルな企業の品番管理はどうなっているか(国ごとに製品体型が異なったり、中身は同じで名前が違ったり、名前が同じでも中身が違ったりすると思うので)が特に興味あるところです。

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民放連は地デジカ二次創作を「断固として許さない」わけでもなさそうだ

ソースがZAKZAKですが、『卑猥な表現やめて!! 「地デジカ」パロディー続出』では、

自作のイラストを掲載するSNSサービス「pixiv(ピクシブ)」にはパロディー画が急増。身につけた黄色の水着風の上着をスクール水着に描き変えた萌え系の女性キャラ版や、筋骨隆々のリアルイラスト版など、さまざまな作風の地デジカが公開されている。(中略)

こうした事態に、民放連は「卑猥な表現をしているものも見受けられる。節度ある描き方をしてほしい」と、かわいい地デジカが陵辱され放題の現状を憂慮している。

と書いてあります。「未来検索ガジェット通信」の記事タイトルの「断固して許さない」というニュアンスがだいぶ違いますね。「節度ある描き方をすれば二次創作を黙認する」と言っているように取れます。

ひょっとすると答える人によって考え方は様々ということかもしれません。この手のキャラを発表する際には二次創作に対する立ち位置のコンセンサスを事前に組織内で確立しておくべきと思いました。

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【はてブコメント返し】 Google和解案に対する権利者団体の意見がだいたい出揃ったようです

ついでにこのエントリーへのはてブコメントにも回答(というか意見)を書いておきます。

mohno mohno 突っ込まれそうなところを突っ込んでいるが、「和解金をゲット」<入金先を登録する必要があるのだからオプトインで十分。2009/04/28

それは手続きとしてはあるかもしれないなと一瞬思いましたが、米国人はオプトアウト、外国人はオプトインというのはベルヌ条約的にどうなのかが気になっています。残念ながら、ベルヌ条約の逐条解説が日本版、英語版共に絶版になっていますので、今度図書館に行ったときに調べます(あーこんな時にGoogle Book Ssearchで絶版本が買えたらなあw)

また、米国人も外国人も両方オプトインにすればよいではないかとの説もありますが、Authors Guild(著作権者代表)としてはこの和解が著作権者の利益になると考えているので手続きをしないと権利が発生しないとするのは認めたがらないのではないかと勝手に想像します。(権利の発生要件と手続き上の要件は別の概念です)。

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【速報】Google Book Search和解に司法省の調査

新野さん(PublicKey)に先を越されてしまったので中身についてはそちらをご参照下さい。もちろん、直ちに独禁法違反の疑いありというわけではないですが、大きな考慮点のひとつではあります。

1点だけ気になるのは元記事の中でGoogleと版権レジストリの契約がexclusive(独占排他的)であると書いてある点です。これは、non-exclusive、つまり、他社も同じことをやろうと思えば契約的にはできる(実行能力があるかどうかは別)と思っていたのですが、この点については調べ直して書きます。まあ、和解の意思表示の〆切りも伸びたのでそんなに急がなくてもよいかもしれませんが。

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