【小ネタ】お菓子の意匠登録について

セブンイレブンのドーナツに関する記事で意匠権による食品の外観(工業デザイン)の保護について触れました。ドーナツ以外に意匠権で保護されている菓子類には何があるのでしょうか?

意匠権は物品と一体の権利なので、意匠登録出願を行なう場合には物品を指定して行なう必要があります。この「物品」は標準が決まっています。IPDL(特許電子図書館)から意匠検索→分類リスト−(現行)日本意匠分類・Dタームを選ぶと物品の分類体系がわかります。「菓子等」にはA1150というコード(Dターム)が割り当てられていることがわかります。次に、意匠検索→日本意匠分類・Dターム検索で一番下の大きな検索ボックスにこのA1150を入力して検索すると「菓子類」を物品とする意匠登録がリストされます(固定リンクがないIPDLは本当に不便です)。現時点での登録数254件でそんなに多くないことがわかります。なお、意匠は特許や商標と違って審査中の出願が公開されるということはなく、登録されたものしか公開されません。

比較的マイナーな商品が多いようですが、有名なものとしては、ハーゲンダッツジャパンによる意匠登録1433508号があります(下図は公報の一部です)。クレープグラッセですね。デザインが結構細かく指定されています。

image

おやつカンパニーによる麺状菓子(1414605号)です。「おとなのラーメン」という商品でしょうか?こちらも公報ではデザインが細かく指定されています。スナック菓子はPB等でそっくり商品出されるリスクがあるので、意匠権で保護するのは有効かもしれません。

image

少しネタぽいのもあります。

個人によるマシュマロ菓子(1432362号)です(近所で売ってたので買ったことあります、味は普通のマシュマロでした)。

image

これも個人による”ケーキ”(1440420号)です。よく見ると下の部分がスポンジケーキになってます。上部はゼリーなんでしょうか?

image

意匠は外観を見ればすぐ模倣できてしまうので、この手のネタぽいものでも(ものこそ)意匠登録は重要です。

ITの領域でも、デザインが売りのガジェット製品をクラウドファンディングでなんてパターンでは、事前に意匠登録出願をしておいた方が良いケースが多いと思います。

カテゴリー: 意匠 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です