【実務者向け】払わなくてもいい電子化手数料を払いそうになったけどやっぱり払わなくてよかった件

今では特許庁とのやり取りのほとんどはインターネット出願ソフト経由なわけですが、紙で手続きするとスキャンとOCRの手数料として1200円+700円×ページ数というけっこう極悪な電子化手数料を取られます(弁理士に委任せず個人で直接出願される方はご注意ください、商標登録出願でも取られます)。

もちろん委任状提出のように現物の提出が必要な場合はさすがに電子化手数料は取られません。しかし、先日ちょっとした不注意で電子化手数料を請求されてしまいました。

出願Aに国内優先権を主張して出願Bを行なう場合に、出願Aに国内優先権を主張するための特別の授権を意思表示した委任状の提出が必要なのは周知だと思います。加えて出願Bに国内優先権を主張して新たな出願を行なう可能性もないわけではなかったので、出願Aと出願Bに国内優先権主張の委任状を作成して、クライアントに捺印してもらいました。そして、2通の手続補正書と共に特許庁に提出しました。つまり、以下の3書類を提出しました。

委任状(出願Aと出願Bに対する国内優先権主張の授権)
手続補正書1(出願Aに委任状追加)
手続補正書2(出願Bに委任状追加(出願A用に提出した委任状を援用))

そうすると、手続補正書1の方は問題ないのですが、手続補正書2の方に対して電子化手数料1900円(1ページ分)を支払えと言う振り込み用紙が来てしまいました。

要は、委任状追加のための手続補正書はどっちにしろ現物提出が必要なので電子化手数料は不要、しかし提出済みの委任状を援用する手続補正書2の方はインターネット経由でも手続可能なところを敢えて紙で出すのだから電子化手数料を払えというロジックのようです。この点は特許庁のサイトの電子化手数料の納付を必要とする手続一覧の注1にしっかり書いてあります。昔読んで納得してた気はしてたのですがうっかりしてました。

手続補正書2をインターネット出願ソフトで提出する、あるいは、委任状を一緒にしないで出願A用と出願B用に作っておけば電子化手数料は発生しなかったことになります。

勉強代だと思って自腹で払おうと思いましたが(さすがにクライアントには請求できません)よくよく考えてみると仮にこの電子化手数料を払わなくても補正の手続が却下されるだけです(工業所有権に関する手続等の特例に関する法律70条)。したがって電子化手数料は払わないで、別途インターネット出願ソフト経由で手続補正書2を提出すれば問題ありません。まあ、ほめられたやり方ではないかもしれませんが今後気をつけますということで、請求を無視というやり方を取ることにしました(以前の記事でも書きましたが支払い請求が来てるのを意図的に無視するのはちょっと抵抗ありますね)。

追記:念のため特許庁に確認してみました。雰囲気的にはあまりほめられた話ではないがしょうがないですねという感じでした。ただし、支払督促が来て実際に却下になるまでには数ヶ月かかるのでその間は処理が進みませんと言われました。今回は、PCT出願での国内優先権主張の委任状提出であり、国内移行するまでは関係ない話(仮に提出されていなくても追完すればすむ話)だったので、支払わない策を取ることといたしました。また、支払わなかった事実は包袋に履歴が残ってしまいますのでちょっとかっこ悪いというデメリットもあります。

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