Jawbone UPの100件の特許について

Jawbone社のUPという健康管理用リストバンドがちょっと話題になっています。

モーションセンサー内蔵で利用者の運動や睡眠の状況を監視してくれるデバイスです。個人的にはブレスレット的なものを一日中付けているのがうざいのであまり関心はないのですが、ウェアラブル・コンピューティング時代の先駆けのひとつになる可能性もあると思います。

このUPに関するTech-On!の記事(無料登録制)でのJawbone社担当によると「製造方法だけで100以上の特許を取得した」そうです。

では、どういう特許があるのかと思ってAssignee=Jawboneで出願情報を検索しても全然ヒットしません(米国では法人が特許出願することはできないので「権利譲渡される人」で検索する必要があります)。

よく調べると、Jawbone社の正式名称はAliphComのようです、同社のリーガルのページに「Our official company name is “AliphCom dba Jawbone.” We are most often referred to as “Jawbone,” and sometimes as “AliphCom” or “Aliph.”」と書いてあります。dbaとは”doing business as”の略です。正式社名はAliphCom、通称、Jawboneということでしょう。また、AliphComの前はAliphという名称だったようです。

ということで、Assignee=AliphComあるいはAliphでサーチすると登録された特許(と意匠)が37件出てきます。さらに、他社から譲渡された登録済特許(と意匠)が39件出てきます(私が重複して数えてる可能性あり)。別名義で取得したものもあると思うので一概には言えないですが「製造方法だけで100以上の特許を取得した」はちょっと盛り気味な感じです(「取得した」に他社からのライセンスを受けているものや審査中のも含むのであればそうでもないかもしれないですが)。もちろん、UPが特許や意匠で守られているのは確かそうです。

余談ですが、Jawbone(AliphCom)社はもともとBuetoothヘッドセットのノイズキャセルテクノロジー(当然特許取得済)で成功した会社のようですが、そのテクノロジーはもともと軍事用途で国防省向けに開発したものであったようです(ネタ元はWikipedia)。

さらに話はちょっと変わりますが、以前も議論した話ですが、この手のウエアラブル製品って知る人ぞ知る段階の時はよいですが、ある程度普及してみんながやってる状態になると、他人とすぐかぶる状態はちょっといやな感じですよね(少なくとも私はそう)。色や模様のバリエーションは増えるのでしょうがそれでも限界はあります。その点で、Appleの”iWatch”が特許公報に書かれたようにバンド全面e-Paper、つまり、時計バンド自身を「スクリーンセーバー」としてカスタマイズできるものであるとするならば、これは大変魅力的ですし、ウェアラブル聞きにおける「ゲーム・チェンジャー」になるんじゃないかと思います。

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