だいぶ前から話題になっているアップルのスマートウォッチ(通称iWatch)(特許間連のブログ記事はこちら)ですが、日本においてiWatchがアップル米国本社により指定商品9類(コンピュータ関係)と14類(時計関係)で商標登録出願されている(出願日6月3日)ことがつい先ほどわかりました(商願2013-42097)。
しかし、既に今年の1月から3月にかけてアメリカの個人を出願人とした商願2013-6172(9類)と商願2013-9100(38類(通信サービス))として、また、日本の法人を出願人とした商願2013-16972(9類と38類)として、iWatchが商標登録出願されています。
海外商標を不正の目的で出願した場合には拒絶になるのですが、iWatchはまだ商品として世の中に出ているわけではないので拒絶にするのは厳しいかもしれません。14類(時計関係)の指定商品はアップルが確保できそうですが9類(コンピューター関係)は先願優先なので一悶着ありそうです。下手すると商標ゴロ(と思われる人物)が一儲けというあまりよろしくない結果になってしまうかもしれません。
追加:よく考えてみると海外で行なった出願に優先権を指定している可能性もあります(まだ公報がIPDLに出ていないのでわかりません)。商標の場合は最大6ヶ月出願日が遡る可能性がありますのでもしそうであれば上記の出願との衝突は大丈夫です。公報入手次第フォローします。
追加^2:すみません、twitterで指摘されてよく調べたら公開公報既に発行されてました(最初の記事は深夜に酔っぱらった状態で書いたので…)。2012年12月3日の(なんと)ジャマイカへの出願に優先権を指定しています。なので、日本における先願の問題はなさそうです(類似先願の問題、(特に14類における)識別性の問題がないとは言えませんが)。なんでジャマイカかいうと、米国の商標制度は使用主義なのであまり広範囲で出願できませんし、そもそもオンラインで出願内容が公開されてしまうので動きがメディアにばれやすいです。日本等も後者の理由によりダメ、ということでオンラインで出願公開する仕組みがないできるだけマイナーな国に出願しておいて優先日を確保する戦術ということのようです(参考ブログ記事)。
さらに言うと、そもそもアップル以外の人が出願しているからと言って、商標ゴロとは限らず、アップルのダミー会社(個人)という可能性もありましたね。
追加^3:ちょっと余談なんですが、前にtwitterでも書いた話ですが、Swatch社がiSwatchという商標を国際登録していて日本でも計時用具等を指定商品として登録されています(実質出願日は2007年11月28日)。こちらは一悶着あるかもしれません。