実は今になって知りましたが”LADY GAGA”という商標登録が認められないとの特許庁の判断に対する審決取消訴訟が知財高裁で行なわれていたようで、請求棄却(つまり、登録は認められない)という判決が出たようです(参照記事)。念のため書いておくとこれはレディ−・ガガと全然関係ない人が勝手出願をしたという事例ではありません。出願人はレディ−・ガガの正式なマネージメント会社です。
実は本ブログでも昔書いたのですが、この問題の根は、CD(録音又は録画済み記録媒体)を指定商品にして芸名・アーティスト名で商標登録出願すると”商品の質を表すだけの商標”という理由で拒絶されるという特許庁の最近の運用にあります。たとえば、最近のジャニーズ関係の芸名の商標登録出願は「録音又は録画済み記録媒体」の指定商品については拒絶されています(グッズ関係の指定商品については登録されています)(参考文献(PDF))。
「LADY GAGA」商標も、化粧品等の指定商品では既に登録されているのですが、「レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」という指定商品の出願(商願2011-21592)については拒絶され、拒絶査定不服審判で争っても駄目、知財高裁に審決取消訴訟を提起しても駄目ということで、後は最高裁しかないので、ちょっと厳しい状況だと思います。
前にも書きましたが、米国を初めとする諸外国ではアーティスト名でCDを指定商品とした商標登録が可能になっており、国際的に調和が取れていないので日本特許庁の運用を変えて欲しいという要望書(『歌手名・音楽グループ名』よりなる商標を拒絶する運用について)が日本弁理士会商標委員会から出ているのですが、残念ながら採用はされなかったようです。